◎前回の記事
初収穫(前回の記事)を迎えてからというもの、晴れの日も雨の日も、毎日のようにイチゴ狩り@庭をしています。嬉しいことに、1日あたり15〜20粒ほど収穫できています。
▲昨日収穫したイチゴ。不揃いですが、甘酸っぱくて美味しかったです。
さて、今日もそんなイチゴを取り上げます。突然ですが…甘くて美味しいイチゴの赤い部分、実は果実じゃないというのはご存知でしょうか?
そもそも果実とは何?
果実とは、雌しべの付け根にある子房(しぼう)にデンプンや糖が集まり、膨らんだ部分のことを指します。一部の果物(後述)を除き、食用となるのはこの果実の部分です。
イチゴの赤い部分は果実ではない!?
早速本題に入りますが「イチゴの赤い部分は果実ではない」というのは本当なのでしょうか?
実はこれ本当なんです。イチゴの場合、赤い部分は子房ではなく花托(かたく:子房の下にあり、花全体を支えている部分)が膨らんだ部分です。そのため、厳密に言うと「イチゴの赤い部分は果実のように見えて果実ではない」ということになります。
イチゴのように、子房以外の部分が膨らんだ実ことを偽果(ぎか)と言います。果実のように見えるけれど、学問上は果実ではない…というのを表しているのだと思います。イチゴのほか、リンゴやイチジクなども偽果に該当します。
※偽果に対して、子房が膨らんだ実のことを真果と言います。
イチゴの果実はどの部分?
では、イチゴの果実はどの部分なのでしょうか?
イチゴといえば、表面につぶつぶがありますよね。実は…このつぶつぶこそがイチゴの果実なんです。
このつぶつぶは、受粉前は子房だった部分です。通常の果物(真果)の場合、ここが大きくなることで果実になりますが、イチゴの場合は子房ではなくその下の花托が成長したものになります。
一方で、イチゴの子房は全く成長せず、中の胚珠(後に種子になる部分)だけが成長します。このような果実のことを痩果(そうか)と呼びます。そのため、イチゴのつぶつぶは「果実」に該当するのですが、実際には種子(胚珠)だけが成長した部分…ということになります。つぶつぶの先端に黒い毛が付いていることがありますが、あれが雌しべだと考えると、イメージしやすいかもしれません。
ちなみに、イチゴの実生に挑戦する場合は、このつぶつぶを蒔くと芽が出てきます。私も中学生時代に挑戦したことがありますが、半年ほどで販売されている苗と同じくらいの大きさになりました。
まとめ
ここまでの内容をまとめると以下のようになります。
・イチゴの赤い部分は花托が成長した部分であり、果実(=子房が成長した部分)ではない
・イチゴの果実にあたるのは表面のつぶつぶだが、果肉(子房)はほぼ存在せず種子(胚珠)だけが成長した部分である
図にまとめると以下のようになります。
こうして見ると、イチゴってかなり変わった果物なんですね。花托と果実を気にしながらイチゴを食べてみるのも面白いかもしれませんよ!
◎次回の記事
(イチゴのランナーについて?)