我が家の北側には1m四方程度の菜園スペースがあり、普段は三つ葉やニラなどを育てています。先日、この菜園スペースから植えた覚えのない何かが生えてきていることに気付きました。
近所でもよく見かけるこの植物。名前がわからなかったため調べたところ、ヤセウツボと呼ばれる植物のようです。何かの縁があって我が家に生えてきてくれた(生えてきてしまった)ので、今回はヤセウツボについて取り上げたいと思います。
ヤセウツボの概要
科・属名:ハマウツボ科ハマウツボ属
種別:一年草(寄生植物)
花色:紫、黄、褐色など
花期:4〜7月
原産:地中海沿岸
別名:─
花言葉:依頼心の強いなど
◎特徴:
地中海沿岸原産の寄生植物で、マメ科の植物によく寄生します。寄生した植物の成長を阻害することなどから、要注意外来生物に指定されています。
寄生した植物の養分で成長するため葉緑素を持たず、全体的に褐色です。春〜夏にかけて紫や黄色の花を咲かせます。
名前の由来
ヤセウツボの名前の由来は、主に以下の2点と言われています。
・同じ属のハマウツボよりも細い見た目をしているため。
・花の形が矢を入れる靭(うつぼ)に似ているため。
ヤセウツボの花言葉
ヤセウツボの花言葉は「依頼心の強い」です。ヤセウツボ自身が他の植物に寄生して成長することが由来となっているようです。
ヤセウツボの駆除方法は?
ヤセウツボは開花後にたくさんの種をつけるため、見つけ次第できるだけ早く抜き取ってしまうのが良いようです。開花後の株であれば、抜いたものをその場に放置するのではなく、可燃ごみとして処分した方が無難かもしれません。
ヤセウツボの実と種
実が熟していそうな株を近所で見つけたため、思わず撮影してしまいました。実が熟す頃になっても、花弁が落ちることはないようです。
花殻を一つ摘み取ってみると、中から米粒ほどの実が出てきました。
実の中には、ごく小さい種がたくさん入っています。自宅での繁殖を防ぐためには、この種が落ちる前に処分してしまうことが大切です。
我が家のヤセウツボ、宿主は一体…?
ヤセウツボはマメ科の植物(特にシロツメクサ、ムラサキツメクサ)に寄生しやすいと言われています。ですが、我が家のヤセウツボの周りに生えているのは三つ葉、ニラ、ネギ、シソ、芝などで、マメ科らしき植物は見当たりません。
もう少し調べてみたところ、キク科やセリ科の植物にも寄生するようです。ここでもう一度、我が家に生えている植物を振り返ってみましょう。
・三つ葉→セリ科
・ニラ→ヒガンバナ科
・ネギ→ヒガンバナ科
・シソ→シソ科
・芝→イネ科
どうやらセリ科の三つ葉に寄生しているみたいですね。ヤセウツボに寄生された植物は成長が阻害されるようですが、せめて花が終わる頃まではこのまま観察しようと思っています。
ヤセウツボを引き抜いてみました
自宅で大繁殖されても困りますし、そもそも要注意外来生物ですので、花が終わる前に抜き取ってみました。
根はほとんどなく、地中の部分が膨らんでいることがわかります。この膨らんだ部分を通じて他の植物に寄生し、養分を吸い取っていると考えられます。
キバナヤセウツボはアルビノ種!?
ヤセウツボの群落の中には、以下の写真のような黄色い株が稀に見つかることがあります。この黄色い株はキバナヤセウツボと呼ばれ、ヤセウツボの色素が抜けたアルビノ種だと考えられています。
以前、我が家のトウモロコシ(グラスジェムコーン)にもアルビノが出現したのですが、その株は真っ白な色をしていました。同じアルビノでも、キバナヤセウツボは黄色っぽい見た目をしている上に、ヤセウツボの変種として正式に扱われています。
◎グラスジェムコーンのアルビノについて
【グラスジェムコーン②】真っ白な芽が現れた!?〜植物のアルビノは存在するのか…?〜 - アタマの中は花畑
なお、見た目が黄色い点を除けば、ヤセウツボと全く同じ生態をしています。