今年も蚊に悩まさせる季節がやって来ました。我が家の周りにも蚊が多く、夕方に外に出ようものならすぐに蚊が近寄ってきます。耳元であの「ブーン」という羽音が聞こえると、思わず身震いしてしまいます。
そんな蚊の被害を抑えるため、我が家の玄関やウッドデッキには屋外用の蚊除けを設置しています。最近では効果が1年近く継続するものもあり、私もよくお世話になっているのですが…それなりに経費がかかる点が難点と言えば難点です。
アース 虫よけネットEX 玄関用 虫除けプレート260日用(1コ入)【spts10】【バポナ】
経費を抑える方法の一つとして、蚊除け効果のある多年草を植えることが挙げられます。該当する植物は複数ありますが、最も耳にするのは今回ご紹介するカレンソウ(蚊連草)ではないでしょうか?
そこで、カレンソウの効果や増やし方についてまとめてみたいと思います。私も先日購入し、早速花壇に植えています。
カレンソウの概要
科・属名:フクロソウ科ゼラニウム属
種別:多年草(常緑低木)
花色:ピンク
花期:5月
原産:─(品種改良により誕生)
別名:ニオイゼラニウム、センテッドゼラニウムなど
◎特徴:
ローズゼラニウムとシトロネラ(レモングラスの一種)の異種交配によって誕生した植物ですが、見た目はローズゼラニウムに酷似しています。多年草に分類されますが、年を重ねると茎が木質化するため、常緑低木として扱われることもあります。
暑さや乾燥に強い反面、水のやり過ぎや寒さには比較的弱いです。日本で栽培する場合、霜の影響をほとんど受けない温暖地では路地植えでの越冬が可能です。
カレンソウが蚊を寄せ付けない理由は?
カレンソウが蚊を寄せ付けない理由は、2種類の香り成分にあると言われています。その2つとはゲラニオールとシトロネラールと呼ばれる成分で、カレンソウの交配元にあたるローズゼラニウムとシトロネラから引き継いだものです。
①ゲラニオール
ゼラニウムに含まれる香り成分で、ローズゼラニウムには特に多く含まれています。バラのような香りが特徴で、蚊が嫌がる成分としても知られています。
②シトロネラール
ローズゼラニウムとシトロネラの両方が持つ香り成分ですが、その名の通りシトロネラに多く含まれています。こちらはレモンのような香りが特徴で、蚊が嫌がるほか、蚊の二酸化炭素探知能力を鈍らせる効果があります。蚊は人や動物が発する二酸化炭素をもとに近寄ってきますので、この能力を鈍らせることで間接的に「蚊除け」をすることができます。
つまり、ゲラニオールとシトロネラールの両方を含有するカレンソウは、天然の虫除けスプレーとも言えそうです。
ローズゼラニウムとの違いは?
カレンソウといえば、交配元であるローズゼラニウムと見た目が酷似していることでも知られています。その類似性から、ローズゼラニウムを「カレンソウ」として販売しているケースもあるようです。
交配元と交配先の関係である両者。そもそも、カレンソウとローズゼラニウムでは蚊除け効果に差はあるのでしょうか?
答えは「見た目はほとんど同じだが、カレンソウの方が蚊除け効果は大きい」です。ローズゼラニウムとカレンソウの最大の違いは、シトロネラールの含有量にあります。シトロネラールはローズゼラニウムとシトロネラの両方が持つ成分ですが、より香りの強いシトロネラの遺伝子を持つカレンソウの方が蚊除け効果は大きいとされています。その分、カレンソウの方が香りも強いようです。
蚊除け目的で購入するのであれば、カレンソウを選んだ方が良いかもしれません。
カレンソウの増やし方は?
カレンソウは挿し木で簡単に増やすことができます(※このところ挿し木の話題ばかりですね…)。剪定などで切り戻した枝を土に挿しておけば、比較的簡単に発根します。路地植えでの越冬が難しい地方では、寒くなる前に鉢に挿した枝を室内に取り込み、暖かくなったら再び路地植え…を繰り返せば毎年楽しむことができます。
おわりに
今回は天然の蚊除けとも言われるカレンソウについてご紹介しました。蚊除け効果ばかりが注目されるカレンソウですが、実は葉や花も魅力的なんですよ。我が家も玄関前に植えていますが、蚊除け効果を期待するだけではなく、葉や花も楽しめそうです。