アタマの中は花畑

小さな花壇と家庭菜園を手に入れたガーデニング初心者の日々

【古代米⑩】米1粒から何粒収穫できた?〜稲の中身がないのは高温障害のせい?〜

◎前回の記事はこちら

【古代米⑨】実るほど頭を垂れる稲穂かな〜稲で例えられるようになったのは何故?〜 - アタマの中は花畑

 

楽しかった連休はあっと言う間に終わり、今日からまたいつも通りの生活に戻りました。さて、連休最終日だった昨日はバケツで育てていた古代米(黒米)の収穫を行いました。食用の黒米を使ったためか、結局苗として成長したのは1粒だけだったのですが…その1粒から一体何粒の黒米が収穫できたのでしょうか?

 

 

待ちに待った収穫

収穫直前の黒米がこちらです。籾や葉が黄色(というより茶色)に変わりつつあり、そろそろ収穫しても問題なさそうです。

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株元の様子はこちら。元々が1本の苗だったためかなり貧弱に見えますが、それなりに分げつしてくれたのではないでしょうか。
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◎分げつについてはこちら

【古代米⑥】田植え後1か月の成長記録〜分げつとバケツビオトープの生態系について〜 - アタマの中は花畑

 

今度は籾を拡大してみました。見た目は一般的な稲とほとんど変わりませんが、よく見ると少しだけ黒みを帯びているようにも見えます。
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ちなみに…収穫直前になっても全く頭を垂れない穂もありました。頭を垂れないということは、中身があまり詰まっていないということでしょうか。収穫前の段階から、何となく不穏な雰囲気がしてきました。。。
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本来であれば株元から鎌でバサっといきたいところなのですが、この日は訳あって穂の先端のみを刈り取りました。この理由については、本記事の終盤で触れたいと思います。

 

米1粒から何粒収穫できた?

そして今回収穫した黒米がこちらです。結局穂は6本分収穫することができました。たったこれだけの穂ですが、鼻を近づけるとほのかな藁の香りがします。田園育ちの私からすると、秋の稲刈りシーズンを思い出す懐かしい香りです。
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穂をもう少し拡大してみました。籾の色は大きく濃茶・紫・薄茶の3色に分かれていました。
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通常は機械で行う脱穀(稲の茎と籾を分離すること)ですが、たったこれだけなので手で済ませました。穂の根元を指でつまみ、指の間を通すようにもう片方の手で茎を引っ張れば…あっと言う間に脱穀することができます。
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続いて、脱穀した籾を中身が詰まっているもの(左)と中身が空あるいは歪な形もの(右)に仕分けてみました。向かって左側が169粒、右側が230粒でした。ということで、我が家の場合は「米1粒から169粒が収穫できた」ことになります。
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よく見ると、左側の籾は濃茶、右側の籾は紫または薄茶でした。中身が詰まっているかどうかは、籾の色からでもある程度識別できそうです。

 

さて、中身の詰まっていた169粒はひとまず保管しておくことにしました。乾燥も兼ねてシリカゲルの袋も一緒に入れています(保存方法がこれで正しいかは不明)。食用にするか、来年また蒔くかはまだ悩んでいるところです。
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中身がないのは高温障害のせい?

今回は399粒中、中身の詰まっていた籾が169粒ということで、4割強しか正常に成長していなかったことになります。収穫量としてはかなり不満のある結果となってしまいましたが、1粒の米が169倍に増えた!と考えればすごい収穫量のように思えてきます。

 

さて、今回中身のない籾(未熟粒)が多かった理由としては高温障害が考えられます。高温障害とはその名のとおり、高温が原因で稲の収穫量が著しく落ちる現象のことを指します。収穫量が落ちる理由をざっくり説明すると「高温に耐えるために本来蓄えるべきデンプンを使い果たしてしまい、籾の生育が悪くなるため」なのだそうです。高温障害の目安としては、日中35℃以上、夜間30℃以上が一つの目安になるようです。

 

思い返してみれば、今回は乱張りの石の上にバケツを置いて育てていました。その結果、株周りの温度が想定よりも上がってしまった可能性があります。来年も育てる場合は気を付けないといけないですね。。。

 

【余談】2度目の出穂はあるか…?

今回の収穫では穂の先端のみを刈り取ったのですが、それにはちょっとした訳があります。その理由となるのがこちらの写真。収穫直前であることを示す黄色い葉のほか、青々とした葉や茎がまだ多く伸びていることがわかります。
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この青々とした茎をよく見ると一部が膨らんでおり、出穂を控えていることがわかりました。ということで株元からの収穫は見送り、出穂しそうな茎を敢えて残しておくことにしました。
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そろそろ9月も終盤に差し掛かろうとしていますが、ここから2度目の出穂、そして収穫となるでしょうか…?
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◎次回の記事はこちら

【古代米11】稲は何度でも出穂する!?〜我が家の黒米、2度目の出穂〜 - アタマの中は花畑

 


バケツ稲12カ月のカリキュラム [ 農山漁村文化協会 ]