◎昨日の記事はこちら
【オシロイバナ】種が化粧に使われていたって本当?〜実は毒があるのでご用心〜 - アタマの中は花畑
昨日の記事ではオシロイバナの毒性についてご紹介しました。オシロイバナに毒性があるのは正直意外で、(小さい頃よくオシロイバナを触っていただけに)初めて知った時は驚いてしまったのですが…実は毒性があることを知って驚いた植物があります。それがこちらのオナモミです。
小学生時代の自由研究で薬草を取り上げた際、このオナモミについても触れたのですが…まさか薬草であると同時に毒性もあるとは思いもしませんでした。今回は昨日に引き続き、毒性のある植物としてオナモミをご紹介します。また、よく似た植物として知られるオオオナモミとの違いについても触れたいと思います。
オナモミの概要
科・属名:キク科オナモミ属
種別:多年草(一年草として扱われることもあり)
花色:黄?
花期:8〜9月
原産:アジア
別名:トッツキ、ホシダマ、ひっつき虫(くっつき虫)など
花言葉:怠惰など
◎特徴:
実にはたくさんの棘があり、動物の毛に付着することでその繁殖範囲を広げていきます。その生態から「ひっつき虫」と呼ばれることもあり、小さい頃に実を投げて遊んだ方もいるのではないでしょうか。(私もその1人です)
各地に分布しているイメージですが、実はその数を大きく減らしており、環境省のレッドリストで絶滅危惧種として取り扱われるほどです。
薬草としての効用
オナモミの実を乾燥されたものは蒼耳子(そうじし)と呼ばれ、漢方薬として活用されます。蒼耳子は頭痛や発熱のほか、動脈硬化予防にも効果があるとされています。
また葉に含まれる成分にはあせもや虫刺されなどへの効果があるとされています。乾燥させた葉をお風呂に入れたり、葉を絞った汁を虫に刺された場所へ塗ったりします。
実は毒性のある植物
薬草としても活用されることのあるオナモミですが、実は毒性のある植物としても知られています。オナモミにはカルボキシアトラクティロシドと呼ばれる有毒成分が含まれており、摂取すると体内の細胞に悪影響を及ぼします。薬草として少量摂取する分には問題ないようですが、過剰摂取には注意する必要があります。
オオオナモミとの違いは?
オナモミによく似た植物としてオオオナモミが挙げられます。両者は非常に似ているのですが、以下のような違いがあります。
◼︎オナモミ
・アジア原産の一年草
・オオオナモミよりも株が小型
・オオオナモミに比べて実の棘が少なく、毛が多い
◼︎オオオナモミ
・北アメリカ原産の一年草
・オナモミよりも株が大型
・オナモミに比べて実の棘が多く、毛が少ない
とはいえ、実際に並べてみても見分けが付かないことが多く、一般的にはどちらも「オナモミ」と呼ばれることがほとんどです。
絶滅危惧種なのによく見かけるような…?
オナモミが絶滅危惧種であることは冒頭で触れましたが、絶滅危惧種という割にはよく見かけるような気はしませんか?実際、我が家の近所でもオナモミと見られる植物がたくさん生えているような…。
この疑問点の鍵となるのが先程のオオオナモミです。オオオナモミは繁殖力が非常に旺盛で、侵略的外来種ワースト100に名を連ねるほどです。そのため、オオオナモミとの生存競争に負けた結果、オナモミは数を大きく減らしたとも言われています。
ここまでの内容を振り返ってみると、これまで私が「オナモミ」として認識してきた植物は全て「オオオナモミ」だった可能性が出てきました。実際、現在の日本で見られるオナモミの大半がオオオナモミなのだそうです。
まだ私には両者を見分ける力はありませんが、見分けられた時には改めて記事でご紹介できればと思います。