アタマの中は花畑

小さな花壇と家庭菜園を手に入れたガーデニング初心者の日々

【万両・千両・百両・十両・一両】全て実在する植物!それぞれの違いは?

◎昨日の記事はこちら

【マユハケオモト】実はオモトではなくヒガンバナの仲間だった!? - アタマの中は花畑

 

昨日のマユハケオモトに続き、今回も実家で見かけた植物に関する話題です。今回取り上げる植物の一つがこちらの千両(センリョウ)です。

f:id:matundaba79:20201111095047j:image

 

赤や黄色の実が特徴的で、実家では正月用の切花として活用していました。小さい頃に親戚が所有する山の一角を千両でいっぱいにするため、大量の種をまいたことがあります。(現在でも千両畑は健在で、切花として活用してくれているようです)

 

さて、そんな千両と名前がよく似た植物として万両(マンリョウ)が挙げられることがあります。ということは百両・十両・一両も…?と考えてしまうのですが、なんと実はこれら全てが実在する植物なんです。今回は、万両・千両・百両・十両・一両の特徴とそれぞれの違いについてご紹介したいと思います。

 

 

万両の概要

f:id:matundaba79:20201111094805j:image

科・属名:サクラソウ科ヤブコウジ属

種別:常緑小低木

樹高:50cm〜1m程度

実の色:赤、白など

原産:東アジア〜インド

別名:藪橘(ヤブタチバナ)など

花言葉:固い誓い、慶祝など

◎名前の由来:

千両よりも実が赤く大きいため。また千両より多くの実を付けるため。

◎特徴:

サクラソウ科(ヤブコウジ科に分類されることもあり)の常緑小低木で、日本では関東以西の林内に自生しています。自生しているものであれば、樹高1mを超えるものもあります。冬になると赤い実を付け、その名前から正月の縁起物として重宝されています。

 

千両の概要

f:id:matundaba79:20201111094732j:image

科・属名:センリョウ科センリョウ属

種別:常緑小低木

樹高:50cm〜1m程度

実の色:赤、黄など

原産:東アジア〜インド

別名:草珊瑚(クササンゴ)など

花言葉:可憐、富貴など

◎名前の由来:

百両より多くの実を付けるため。また万両より実が少ないため。

◎特徴:

センリョウ科の常緑小低木で、日本では関東以西の林内に自生しています。冬になると赤い実を付け、その名前から万両とともに冬の縁起物として重宝されています。

 

百両の概要

f:id:matundaba79:20201111180117j:image

科・属名:サクラソウ科ヤブコウジ属

種別:常緑小低木

樹高:20cm〜1m程度

実の色:赤、黄、白など

原産:日本、朝鮮半島、中国、台湾など

別名:唐橘(カラタチバナ)など

花言葉:富、財産など

◎名前の由来:

江戸時代に流行した園芸品種が百両単位の値段で取引されていたため。

◎特徴:

サクラソウ科の常緑小低木で、こちらも関東以西の林内に自生しています。万両と同じサクラソウ科に属しますが、万両よりも葉や実が大きいのが特徴です。

 

十両の概要

f:id:matundaba79:20201111103744j:image

科・属名:サクラソウ科ヤブコウジ属

種別:常緑小低木

樹高:10〜30cm程度

実の色:赤など

原産:日本、朝鮮半島、中国、台湾など

別名:藪柑子(ヤブコウジ)など

花言葉:明日の幸福など

◎名前の由来:

百両より実が少ないため。また実の美しさが金十両に値するとされていたため。

◎特徴:

サクラソウ科の常緑小低木で、日本では北海道南部以南の林内に自生しています。樹高は10〜30cm程度で、今回取り上げる植物の中では最も小さいです。明治時代に一大流行を引き起こし、現在の価値で1000万円に相当する値で取引されることもありました。

 

一両の概要

f:id:matundaba79:20201111180142j:image

科・属名:アカネ科アリドオシ属

種別:常緑小低木

樹高:30〜60cm程度

実の色:赤

原産:東アジア〜インド

別名:蟻通(アリトオシ)など

花言葉:悪戯好きな子供、近寄らないでなど

◎名前の由来:

万両や千両とともに「千両万両有り通し」として植えられ、縁起物として扱われたため。

◎特徴:

アカネ科の常緑小低木で、万両・千両・百両とともに関東以西の林内に生息しています。小さな棘がたくさん生えており、蟻すらも貫き通すこと、あるいは蟻すらも通さないことから「アリドオシ」とも呼ばれます。冬になると赤い実を付けます。

 

それぞれの共通点は?

それぞれの共通点は主に以下の3点です。昔は赤い実が縁起物として扱われていたことから、花言葉も総じて縁起の良いものが多いです。

・冬に赤い実を付ける

・縁起物として扱われている

・アジア原産で林内に自生している

 

万両・千両・百両・十両については、付ける実の数によってその名が付けられたとされています。まずは百両が基準となり、より多くの実を付ける万両・千両、より少ない実を付ける十両に分類されたという説が有力です。

※一両は「万両千両有り通し」と呼ばれる縁起物が由来となった説が有力

 

現在では万両や千両がよく知られていますが、昔は百両の方がメジャーな植物だったのかもしれませんね。

 

それぞれの違いは?

共通点の多い万両・千両・百両・十両・一両ですが、以下のような違いもあります。

万両・百両・十両はサクラソウ科千両はセンリョウ科一両はアカネ科に属するため、大きく3グループに分けられる

・万両・百両・十両は葉の下、千両は葉の上、一両は枝に沿って実を付ける

・一度に付ける実の数が異なる(万両>千両>百両>十両)

 

同じサクラソウ科に属し共通点の多い万両・百両・十両は見分けが少し難しいですが、万両を基準に考えると…

・百両は万両と同じくらいの樹高だが、葉が細長く、実が少ない

・十両は万両に比べて樹高が低く、実の数は更に少ない

のような違いがあります。

 


花木 庭木の苗/万両(マンリョウ):紅白万両6号鉢植え[夫婦長寿・紅白実付き寄せ植え]

【選べる2色 赤/黄】千両(センリョウ)3.5号ポット Mサイズ(h32)

カラタチバナ(百両金) 赤実

ヤブコウジ (十両)ポット苗(b5)

苗:アリドオシ(一両)