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【おうち時間】庭のかまどで芋煮を作ってみました! - アタマの中は花畑
昨日、自宅の庭で芋煮作りに挑戦してみたのですが、並行して焼き芋も焼いていました。やはり炭火でじっくり焼くと甘みが強まって美味しいですね。
昨日焼いた芋の中には安納芋が混ざっていたのですが、他の比べて一段と甘くて美味しかったです。安納芋と言えば甘みがとても強いことが有名で、最近ではさまざまなスイーツにも用いられています。ところで、安納芋は他のサツマイモに比べてなぜこんなに甘いのでしょうか?
安納芋とは?
安納芋(あんのういも)とはサツマイモの一種で、ねっとりとした食感と甘さが特徴です。甘味の強さは特に有名で、焼き芋にすると糖度が40度を超えることもあるそうです。
元々は鹿児島県・種子島で栽培されていた品種で、個体選抜(特に甘味の強い株を選抜)を行った後、平成10年に「安納芋」と名付けられました。名前に用いられている「安納」は、サツマイモ栽培が盛んな種子島の地方名が由来となっています。
安納芋の中にもさまざまな品種があり、皮の赤い安納紅や、皮が黄色い安納こがねなどが挙げられます。種子島でのみ栽培が許可されている品種もありますが、現在では種子島以外でも広く栽培されています。
安納芋が甘いのはなぜ?
安納芋が特に甘いのには大きく2つの理由があるとされています。ここでは、それぞれについて簡単にご紹介したいと思います。
①デンプンの含有量
②収穫後の貯蔵
①デンプンの含有量
安納芋は、他のサツマイモに比べてデンプンの含有量が特に多いとされています。先日の記事でもご紹介しましたが、サツマイモは70度前後の温度で加熱することにより、中に含まれるデンプンが甘味成分(麦芽糖)に変化します。したがって、甘味成分の元となるデンプンの含有量が多い安納芋は相対的に甘いと考えられます。
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また、安納芋の一大産地である種子島は温暖な気候であるため、一般的なサツマイモに比べて長い期間栽培することができます。栽培する期間が長いほど光合成によって得られる栄養成分も多くなるため、芋の中に貯蔵されるデンプンの量も多くなる傾向があります。
②収穫後の貯蔵
もう一つの理由が収穫後の貯蔵にあります。こちらは他のサツマイモにも共通することですが、収穫後に1カ月ほど追熟させることでさらに甘味が増します(※この追熟のことを糖化とも呼びます)。
これにはβアミラーゼと呼ばれる酵素が深く関わっています。サツマイモを追熟(糖化)させることでβアミラーゼが活性化し、芋の中に含まれるデンプンを甘味成分に変換します(※サツマイモを加熱した時に甘味が増すのも、このβアミラーゼの働きによるものです)。この働きにより、安納芋の甘さがさらに増すというわけです。
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安納芋といえばやっぱり種子島?
さまざまな場所で見かけるようになった安納芋ですが、広く流通した現在であっても「安納芋=種子島」のイメージが根強いですよね。そもそも、なぜ安納芋といえば種子島なのでしょうか?
これには、種子島ならではの理由が何点かあるからだとされています。ここでは大きく3点ご紹介します。
①種子島ならではの温暖な気候
先程も触れましたが、種子島は温暖な気候であるため、安納芋をより長い期間栽培することができます。そのため、芋の中に貯蔵されるデンプンの量が多くなるため、より甘い安納芋になるとされています。
②種子島ならではの恵まれた土壌
種子島の土壌は水はけの良い火山灰土です。これに加えて海からのミネラル分も多く運ばれてくるため、安納芋にはうってつけの土壌となります。そのため、種子島の土壌で育てることにより、安納芋はより甘くなると考えられます。
③種子島ならではの登録品種
安納芋発祥の地でもある種子島では、一部の品種を「登録品種」と位置づけ、種子島でのみ栽培を許可しています。こうして、美味しい安納芋は現在でも種子島で引き継がれています。
【余談】安納芋は高カロリー?
安納芋はデンプンの含有量が多く甘いが強い分、一般的なサツマイモに比べてカロリーはやや高めです。安納芋を食べると太りやすい!?と考えてしまいがちですが、実は案外そうでもないようです。白米に比べると安納芋は低カロリーで食物繊維も多く含まれています。そのため、意外にもダイエットに向いた食材なのだそうです。
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