◎昨日の記事はこちら
【アイビー】驚異の生命力!増やし過ぎにはご用心! - アタマの中は花畑
昨日はアイビーに関する記事を更新したのですが、一口に「アイビー」と言っても実は数多くの品種があります。その中でも、白い模様が入った葉を持つアイビーは一際おしゃれに見えますよね。この白い模様は「斑(ふ)」と呼ばれ、斑が入った葉を持つ植物のことを「斑入り」と総称することが多いようです。
今回はそんな斑入り植物に関する話題です。葉といえば緑色、紅葉すれば赤や黄色などにも変わりますが、斑入り植物の白い葉はなかなか珍しいケースだと思っています。そもそも、斑入り植物の葉はなぜ白く変色するのでしょうか?
斑入り植物とは?
冒頭でも少し触れましたが、斑入り植物とは葉や花に白い模様(斑)の入った植物の総称です。斑が入ることにより見た目が華やかになるため、葉だけの状態でも十分楽しむことができます。そのため、庭や花壇のアクセントとしても人気を集めています。
斑が入るのはなぜ?
ここからは、斑の正体について私なりにまとめてみようと思います。ここでは、斑入りの葉を例に挙げて説明します。
斑入りの葉には緑色と白色の部分があります。一般的に、葉は葉緑素(クロロフィルなど)の存在により緑色に見えるのですが、白い斑の部分にはこの葉緑素が存在しません。もう少し細かく説明すると、葉の白い部分は「遺伝子異常などにより葉緑素が形成されなかった、あるいは葉緑素が消失してしまった部分」なのだそうです。理科の授業で斑入りの葉にヨウ素液をかけたことのある方もいらっしゃるかと思いますが、その際も斑の部分は変色しなかった(=葉緑素が存在せず光合成をしていなかった)のではないでしょうか。なお、花に表れる斑も遺伝子異常で色素が本来の働きをしていないことによるものと考えられます。
(※少し調べてみましたが、遺伝子異常の詳細な原因についてはあまり明らかにされていないようです)
ここまでの内容を改めて一言でまとめると、葉や花に生じる斑は「遺伝子異常などの要因により、葉や花に含まれる色素が本来の働きをしなかった部分」であると考えられます。
斑入りとアルビノは同じもの?
斑入り植物と同様、アルビノも葉や花が白くなる特徴を持ちます。アルビノも遺伝子異常などの理由で色素が正常に作用しないことが発生要因とされ、人間をはじめとした動物にも確認されます。我が家でも、今年育てたグラスジェムコーンにアルビノが1株混ざっていました。
◎グラスジェムコーンのアルビノについてはこちら
【グラスジェムコーン②】真っ白な芽が現れた!?〜植物のアルビノは存在するのか…?〜 - アタマの中は花畑
斑入り植物とアルビノの違いはあまり明確になっていないようですが、私としては以下のような違いがあると思っています。よく似た両者ですが、厳密には違う性質として扱われることが多いようです。
斑入り植物
・葉や花の一部が白く変色する
・親株の性質が遺伝して生じることが多い
アルビノ
・葉や花の全てが白く変色する
・親株の性質が遺伝したものではなく、突然変異的に生じる
【余談】熊笹の葉は斑入りなのか?
葉の一部が白くなる植物として、こちらのクマザサも挙げられます。クマザサは葉を縁取るように白く変色するのが特徴で、笹の中でも特に人気の高い品種です。ところで、このクマザサの葉は斑入りと言えるのでしょうか?
クマザサの葉の白い部分は縁取りとも呼ばれ、冬の寒さに耐えられなかった葉の縁が枯れることで生じます。したがって、色素の異常によって生じる斑とは発生要因が全く異なるものになります。
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