先週末、近所の川辺でこんな花を見かけました。春〜夏にかけてよく見かけるこの白い花、マーガレットを小さくしたような見た目をしています。
この花の名前についてですが、野草に詳しい方であれば「ハルジオン」「ヒメジョオン」のいずれかが出てくるのではないかと思います。ハルジオンの方が広く知られているような気もしますが、実はこの両者は見た目がかなりそっくりです。今回は、そんなハルジオン・ヒメジョオンの特徴について少しご紹介したいと思います。
ハルジオンの概要
科・属名:キク科ムカシヨモギ属
種別:多年草
花色:白、ピンク
花期:4〜6月
原産:北アメリカ
別名:ビンボウグサ(貧乏草)、ハルジョオンなど
花言葉:追想の愛など
◎特徴:
北アメリカ原産の帰化植物で、牧草地や畑などに広く分布しています。花の見た目がキク科のシオン(紫菀)に似ており、春に開花することからハルジオン(春紫菀)と名付けられました。生命力がとても旺盛で、日本の侵略的外来種ワースト100にも名を連ねています。
▲シオンの花(参考)
ヒメジョオンの概要
科・属名:キク科ムカシヨモギ属
種別:越年草
花色:白
花期:6〜10月
原産:北アメリカ
別名:ヤナギバヒメギク(柳葉姫菊)、アメリカグサ、ビンボウグサ(貧乏草)など
花言葉:素朴で清楚など
◎特徴:
こちらも北アメリカ原産の帰化植物で、現在では日本各地に分布しています。中国の野草である女菀(ジョオン)に似ており、かつ花が小さいことからヒメジョオン(姫女菀)と名付けられました。越年草のため1度花を咲かせたらそのまま枯れてしまいますが、稀に1年以上花を咲かせずに生き延びる場合もあるようです。またハルジオンと同様、ヒメジョオンも日本の侵略的外来種ワースト100に名を連ねています。
ハルジオンとヒメジョオンの見分け方は?
見た目がそっくりな両者ですが、細かい点も含めると実はかなりの相違点があります。最も見分けやすいのは花弁で、ハルジオンの花弁が細いのに対し、ヒメジョオンの花弁はやや太い特徴があります。下の写真を見比べると、その違いがよくわかるのではないでしょうか。
▲ハルジオンの花(左)、ヒメジョオンの花(右)
その他には以下のような違いがあります。比較的見分けやすいのは①や⑦あたりかと思います。
①ハルジオンの茎は空洞で、ヒメジョオンの茎は中身が詰まっている
②ハルジオンは春、ヒメジョオンは夏以降に開花する
③ハルジオンに比べてヒメジョオンの方が草丈は高い
④ハルジオンに比べてヒメジョオンの花は小さく、1株あたりの花数が多い
⑤ハルジオンの蕾・花は下に垂れやすいが、ヒメジョオンの蕾・花はあまり垂れない
⑥ヒメジョオンに比べて、ハルジオンの方がピンク色の花が多い
⑦ハルジオンの葉は茎を抱くように生えるのに対し、ヒメジョオンの葉は茎を抱いていない
⑧ハルジオンは多年草(種や根茎で増える)なのに対し、ヒメジョオンは越年草(種でのみ増える)
早速、今回私が見つけた花がハルジオン・ヒメジョオンのどちらなのかを見分けてみましょう。花をよく見てみると、花弁がやや太いためヒメジョオンであることがわかります。
続いて茎を1本失敬してみると、茎の中身が詰まっていることがわかります。加えて、葉が茎を抱いていない(=茎を囲うように葉が伸びていない)ことから、ヒメジョオンで間違いなさそうですね。
【余談】別名はどちらも貧乏草!?
一部の地域ではハルジオン・ヒメジョオンの花や茎を折ると貧乏になるという言い伝えがあることから、貧乏草(ビンボウグサ)と呼ばれることがあります(※)。
※生命力旺盛なことが別名の由来になったという説もあり
そういえば先程、ヒメジョオンの茎を1本失敬してしまいましたね…。言い伝えをどこまで信じるか次第ですが、無駄遣いは当面控えようと思います。。。