最近、ナツツバキ(夏椿)の花を近所でよく見かけるようになりました。我が家には植えていないのですが、母方の祖母がかつて好きだったこともあり、母方の実家では今でもナツツバキの木が植えられています。
(そのような経緯もあり)私にとっても馴染み深い花の一つなのですが、小さい頃は「シャラ」または「シャラノキ」と呼んでいました。ナツツバキとシャラノキは同じ木なのですが、なぜそう呼ばれるようになったのでしょうか?
ナツツバキ(夏椿)の概要
科・属名:ツバキ科ナツツバキ属
種別:落葉高木
花色:白、ピンク
花期:6〜7月
原産:日本、朝鮮半島南部
別名:シャラノキ、シャラソウジュ、サルスベリなど
花言葉:はかない美しさ、愛らしさなど
◎特徴:
日本〜朝鮮半島南部原産の落葉高木で、日本では東北南部〜九州に自生しています。樹皮がツルツルしていることから、サルスベリと呼ぶ地方もあります。
花色は白が一般的ですが、ピンク色の花を咲かせるピンクナツツバキ(ピンクシャラノキ)も流通しています。
■良品庭木■ピンク ナツツバキ(シャラ)夜明け前3.5号ポット植え
ツバキとナツツバキは同じ仲間?
赤い花を咲かせる一般的なツバキとナツツバキはどちらもツバキ科に属しています。広い意味では同じ仲間なのですが、ツバキはツバキ科、ナツツバキはナツツバキ科のため特徴は異なります。
花の形こそ似ている両者ですが、それ以外はあまり似たところがありません。例えば、ツバキの葉には光沢があり冬でも青々としているのですが(常緑樹)、ナツツバキの葉には光沢がなく冬にあると落ちてしまいます(落葉樹)。
▲一般的なツバキ(参考)
ナツツバキと沙羅双樹の関係
ナツツバキの別名として「シャラノキ」や「シャラソウジュ」が挙げられますが、フタバガキ科サラノキ属のサラソウジュ(沙羅双樹)に似ていることからこの名が付けられたとされています。
(※ナツツバキとの区別のため、以降はフタバガキ科の本種を「サラソウジュ」と記載します)
サラソウジュも白い花を咲かせますが、インド〜東南アジアを原産とする常緑高木です(ナツツバキは落葉高木)。仏教の聖樹とされ、原産地周辺の寺院ではサラソウジュの木がよく植えられているようです。しかしながら日本の寒さには耐えられないため、日本の寺院ではその代わりとしてナツツバキが採用されています。そのような経緯もあり、ナツツバキは「シャラノキ」「シャラソウジュ」などと呼ばれるようになったようです。