まだまだ厳しい暑さが続きそうですが、そんな時には無性にさっぱりとしたフルーツを食べたくなります。夏に食べるフルーツといえばスイカなどを思い浮かべる方も多いかと思いますが、私にとっては真っ先に梨が挙がります。梨自体は夏〜秋が旬なのですが、夏休みの頃によく食べていたため梨=夏のイメージが強いです。
ここで私が挙げた梨はシャリシャリした食感が特徴の「和梨」なのですが、これ以外にも「洋梨」「中国梨」が存在します。和梨・洋梨・中国梨にはそれぞれどのような違いがあるのでしょうか?
和梨の概要
科・属名:バラ科ナシ属
種別:落葉高木
花色:白
花期:4月
収穫期:8〜11月
原産:中国
別名:日本ナシ、ナシなど
花言葉:なごやかな愛情、情愛、なぐさめなど
◎特徴:
中国を原産とするヤマナシをルーツとした栽培品種の総称で、日本全国で約40品種が栽培されています。独特のシャリシャリとした食感が特徴ですが、これは果肉に含まれる石細胞(リグニンなどの食物繊維により、細胞壁が厚くなった部分)によるものです。
なお和梨のうち、果皮が赤みがかった黄色の品種(香水、豊水など)は赤梨、黄緑色の品種(二十世紀など)は青梨と呼ばれます。
洋梨の概要
科・属名:バラ科ナシ属
種別:落葉高木
花色:白
花期:4〜5月
収穫期:9〜12月
原産:中国(後にヨーロッパで品種改良)
別名:西洋ナシなど
花言葉:なごやかな愛情、情愛、なぐさめなど
◎特徴:
ヨーロッパで品種改良された梨の総称で、滑らかな口当たりと濃厚な甘みが特徴です。ピーク時には500品種ほどが栽培されていまひたが、現在では代表的な10品種ほどしか栽培されていません。
日本では山梨県や岡山県などで栽培されており、代表的な品種としてラ・フランスが挙げられます。
中国梨の概要
科・属名:バラ科ナシ属
種別:落葉高木
花色:白
花期:3〜4月
収穫期:9〜10月
原産:中国
別名:白梨(ハクリ)など
花言葉:なごやかな愛情、情愛、なぐさめなど
◎特徴:
ホクシヤマナシ(シベリアヤマナシ)をルーツとした栽培品種です。見た目は洋梨に近いですが、シャリシャリした食感は和梨に似ています。日本ではごく一部の地域で栽培されているのみで、ほとんど流通していません。
和梨・洋梨・中国梨の違いとは?
和梨・洋梨・中国梨の概要をご紹介したところで、続いてはそれぞれの違いについて触れていきたいと思います。原産地はいずれも中国だと考えられますが、その後品種改良された地域によって分化していきました。また、和梨と洋梨では性質が大きく異なりますが、中国梨はそれらの間をとったような性質をしています。
◎原産地
・和梨:中国の原種を日本で品種改良
・洋梨:中国の原種をヨーロッパで品種改良
・中国梨:中国の原種を中国で品種改良
◎見た目
・和梨:ほぼ球形
・洋梨:上が細く、下が太い瓶状
・中国梨:洋梨にやや近い楕円形
◎食感
・和梨:シャリシャリした食感
・洋梨:滑らかな食感
・中国梨:シャリシャリした食感
◎味
・和梨:さっぱりした味
・洋梨:濃厚な味
・中国梨:さっぱりした味
◎収穫後の追熟
・和梨:追熟不要
・洋梨:追熟が必要
・中国梨:追熟が必要