皆さまは「マタタビ」と呼ばれる植物をご存知でしょうか。野山に広く自生し、秋になると小さな洋梨のような実を付けます。
そんなマタタビですが「猫にマタタビを与えると、猫が酔っ払ってしまう」なんて話を聞くことがあります。私自身猫を飼ったことがないため検証できていないのですが、人間で言う酒に酔っ払った状態になるということなのでしょうか…?
マタタビの概要
科・属名:マタタビ科マタタビ属
種別:落葉つる性木本
花色:白
花期:6〜7月
収穫期:9〜10月
原産:日本
別名:夏梅(ナツウメ)、木天蓼(モクテンリョウ)など
花言葉:夢見る心地、晴れやかな魅力など
◎特徴:
マタタビ科の落葉つる性木本で、日本では北海道〜九州にかけて広く分布しています。6〜7月頃に梅のような白い花を咲かせることから、夏梅とも呼ばれます。花が咲く頃になると、葉の一部が白く変色する特徴を持ちます。
マタタビの実は大きく2種類
本題に入る前に、まずはマタタビの実の特徴について触れておきたいと思います。マタタビの実には大きく2種類あり、それぞれ以下のような違いがあります。
◎一般的な実
・虫こぶ状態となっていない実。楕円形で表面はツルツルしている。
◎虫癭果(ちゅうえいか)
・開花時にマタタビアブラムシやマタタビミタマバエが卵を産みつけることにより、虫こぶ状態となった実。丸みを帯びており、表面はデコボコしている。
・虫癭果を熱湯消毒した後、乾燥させたものは木天蓼(モクテンリョウ)と呼ばれる。木天蓼は腰痛や冷え性に良いとされ、漢方薬としても重宝されている。
両者の大きな違いは虫こぶの有無なのですが、意外なことに虫こぶ有りの実(虫癭果)の方が重宝されています。
マタタビで猫が酔っ払うのはなぜ?
マタタビには主に以下の成分が含まれており、猫の好物とされています。
・マタタビラクトン
・アクチニジン
・β-フェニルエチルアルコール
各成分の詳細な効果についてはあまりよく知らないためここでは割愛しますが…猫の口の中にはヤコブソン器官と呼ばれる特殊な器官があり、この器官が上記の成分を感知することでリラックス効果を与えるとされています。個体差こそありますが、マタタビを与えた猫は身体をこすり付けたり、気持ちよさそうにゴロゴロしたりします。この状態が「酔っ払った」と認識されているようですが、厳密には「とてもリラックスした状態になった」ということのようです。
なお、先程紹介した3つの成分は虫癭果に多く含まれています。そのため、猫をリラックスさせるのであれば一般的な実よりも虫癭果の方が効果は大きいと言えそうです。
※猫の個体によってはストレス反応を見せることもあるため、くれぐれもマタタビの与え過ぎには注意しましょう。
人間もマタタビで酔うことはあるの?
人間はヤコブソン器官を持たないため、マタタビをそのまま食べたとしても酔っ払ったり(リラックスしたり)することはありません。もちろん、果実酒(マタタビ酒)として楽しむ場合は酔っ払います。私はほとんどお酒が飲めないため(※)、飲んだことすらないのですが。。。
※初対面の人には「日本酒や焼酎に詳しそう」とよく言われるのですが、実際のところはどちらも全く飲めないくらいの下戸です。飲み会の場は好きなのですが、専らソフトドリンク派です。。。
マタタビ(雌雄株セット)《果樹苗》*樹高10〜30センチ程度 個体差有り!