皆さまは「粘りの強い芋」と言われたらどの芋を思い浮かべるでしょうか。自然薯やいちょう芋などももちろん有名ですが、山芋や長芋を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。ということで、今回は山芋と長芋に関する話題です。
山芋と長芋はどちらも細長い形で、皮は薄い茶色、表面には細かいひげ根が生えているイメージです。その一方で、両者の違いについてはあまりよく知らないんですよね。。。実際のところ、山芋と長芋はどのような点が異なるのでしょうか?
山芋の概要
まずは山芋の概要からご紹介します。山芋とはヤマノイモ科ヤマノイモ属に属するつる性多年草の総称で、科名のとおり「ヤマノイモ」と呼ばれることもあります。なお山芋はあくまでも植物の総称であり、ヤマイモという名の固有の植物は存在しません。ヤマノイモ属に属する植物は世界中で約600種類ほどあり、うち数十種類ほどは食用として流通しています。
長芋の概要
続いて長芋の概要です。長芋は「山芋」に属する植物の一つで、山芋の中では最も流通量の多い芋です。その流通量の多さから山芋=長芋を連想される方が多いようです(まさに私がこれでした)。
そんな長芋の概要は以下のとおりです。
科・属名:ヤマノイモ科ヤマノイモ属
種別:つる性多年草
花色:白
花期:7〜8月
収穫期:11〜12月、4〜5月
原産:中国(日本という説もあり)
別名:ヤマノイモなど
花言葉:気長、芯の強さなど
◎特徴:
ヤマノイモ属に属するつる性多年草で、その名のとおり細長い形状の芋が特徴です。水分量が多いためすりおろしても比較的粘りは弱く、他の食材とも相性も良いです。また加熱することでホクホクとした食感に変わります。
長芋の旬は11〜12月頃ですが、地域によっては雪解け後の4〜5月頃に収穫することもあります(春掘り)。ヤマノイモ属の植物の中では寒さに強く、日本では主に北海道・青森県で生産されています。
したがって、山芋と長芋の違いは…
山芋:ヤマノイモ属の植物の総称
長芋:山芋の中の一品種
ということになります。
その他の山芋(ヤマノイモ)
日本では、長芋のほかにもさまざまな「山芋」が流通しています。ここではその一部について簡単にご紹介したいと思います。
◎つくね芋
・中国原産で粘りは強い。丸い塊のような形状をしており、関西地方を中心に流通している。栽培が難しいことから流通量はやや少ない。関西地方では大和芋とも呼ばれる。
◎いちょう芋
・中国原産で粘りはやや強い。イチョウ(銀杏)の葉のような形状をしており、関東地方を中心に流通している。関東地方では大和芋とも呼ばれる。
◎自然薯(じねんじょ)
・日本原産で粘りは非常に強い。栽培が非常に難しく流通量が少ないことから、高級食材として扱われる。
◎大薯(だいじょ)
・インド〜熱帯アジア原産で粘りは非常に強い。寒さに弱いため、日本では沖縄県や九州地方南部でのみ栽培される。台湾山芋、沖縄山芋、つくね芋(主に九州地方)などと呼ばれることもある。
▲自然薯(参考)

長いも種芋1kg