少し前まではそれほどでもなかったのですが、最近になり真冬かのような冷え込みが続いています。この冷え込みにより、花壇や家庭菜園では毎朝霜柱を見かけるようになりました。
2週間ほど前にパパイヤの越冬準備を行ったのですが、(本当に越冬できるかはさておき)早めに手を打っておいて良かった…!とホッとしています。
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ここまで冷え込みが強まると、気になるのは花壇や家庭菜園で育てている植物達です。まるで冷凍野菜かのように凍りついているように見えることもあるのですが、植物側に影響はないのでしょうか?
凍りついた家庭菜園
特に冷え込みが強かった日の朝、家庭菜園の様子を撮影してみました。上から白菜、大根、キャベツの順で掲載してみたのですが、葉の表面が凍りついたことで光沢が増しているように見えます。葉を触るとパリパリと音を立て、やはり中に含まれる水分も凍っているように感じられます。
▲白菜
▲大根
▲キャベツ
また花壇にも目を向けてみたところ、寒さに強いはずのパンジーもご覧のような有り様でした。このまま枯れてしまうのでは…?と心配になってしまいますが、日中になり気温が上昇すると元の姿に戻りました。
家庭菜園の葉は凍っても大丈夫なの?
栽培中の野菜の葉が凍りつく現象は今冬に限ったものではないのですが、まるで冷凍野菜のような状態になった葉を見るとどうしても心配になってしまいます。気温が上昇すると元の状態に戻っているように見えますが、野菜側への影響はないのでしょうか。
少し調べてみたところ、今回のようなケースは「凍っているのは葉の一部のみで、全てが凍っているわけではないため植物への影響はない」ということのようです。植物の葉はたくさんの細胞から形成されていますが、今回凍ったのは細胞と細胞の間の隙間や、細胞の外側(細胞壁)のみだったと考えられます。細胞の内部までは凍らなかったため植物側への影響も少ないようで、気温が上昇すると何事もなかったかのように元の姿に戻ります。
植物が冬越しするために必要な条件は?
もちろん全ての植物が、葉の一部が凍るほどの寒さに耐えられるわけではありません。植物が厳しい冬を耐え抜くためには、主に以下のような条件が必要となります。
①十分な耐寒性を持っていること
当たり前かもしれませんが、十分な耐寒性を持つ植物(=寒さに十分強い植物)であることが大前提となります。そもそも冬の寒さに耐えられる能力を持ち合わせていないと、葉が凍る前に枯れてしまいます。例えば熱帯地方原産の植物は寒い場所で生き抜くことを前提としていないため、耐寒温度を下回る時期は室内で管理するようにしましょう。
(※冒頭で触れたパパイヤは特例で越冬に挑戦していますが…)
②冬越しの準備が整っていること
十分な耐寒性を持ち合わせていたとしても、冬越しのための準備が整っていないとちょっとした寒さで枯れてしまうことがあります。そのため耐寒性を持つ植物達は、秋から冬へと季節が移り変わるにつれて徐々に低温に慣らしていく必要があります。
例えば、細胞の内部に糖やアミノ酸を蓄えることで葉を凍りにくくすることも立派な防寒対策です。以前の記事で雪下野菜が甘いことを取り上げましたが、これも葉を凍りにくくするために糖の含有量を増やしているためだと言われています。
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