しばらく正月休みをいただいておりましたが、本日よりぼちぼち更新を再開したいと思います。改めまして、本年もどうぞよろしくお願いいたします。
今回の年末年始は2年振りに実家で過ごしたのですが、この時期に帰省すると必ずビワの花が出迎えてくれます。ビワは初夏に流通する果実ですが、意外なことに花は冬に咲くんですよね。虫や鳥が多く活動する春に開花した方が受粉しやすい気がするのですが、それでも冬に開花するのは一体なぜなのでしょうか?
ビワ(枇杷)の概要
科・属名:バラ科ビワ属
種別:常緑高木
花色:白
花期:12〜2月
収穫期:5〜6月
原産:中国
別名:蘆橘(ロキツ)など
花言葉:温和、治癒、あなたに打ち明けるなど
◎特徴:
中国南西部原産の常緑高木で、日本では関東〜九州地方を中心に分布しています。暖かい地域を原産としていますが、比較的寒い地域でも栽培することができます。葉や実の形が楽器の琵琶(ビワ)に似ていることから、その名が付けられたとされています。
収穫した実はあまり日持ちがしないため、その大半は収穫期とほぼ同時の5〜6月頃に流通します。
ビワの花はどうやって受粉しているの?
ビワの花は12〜2月頃に開花しますが、この時期は鳥や虫があまり活動していない時期にあたります。そんな時期に開花してもきちんと受粉するものなのでしょうか?
結論から言えば、冬に開花するビワは主に虫によって受粉しているのだそうです。以前の記事でも触れたことがあるのですが、冬でも活動する虫(アブやハエなど)は少なからず存在します。ビワは他の花が少ない冬に開花することで、こうした虫達を効率的に集めて受粉しているとされています。なお、ビワは1本の木だけでも受粉する「自家結実性」を持ちます。
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【余談】枇杷と琵琶湖の関係は?
「ビワ」といえば果物の枇杷だけでなく、滋賀県の琵琶湖も連想する方もいらっしゃるかと思います。実はどちらも楽器の琵琶に形が似ていることから、その名が付けられたとされています。
そのルーツとなった楽器のビワは元々「枇杷」と表記していたのですが、後に琴の仲間であることが分かり表記を「琵琶」に改めた経緯があります。しかしながら、果物のビワだけは当時の名残で「枇杷」と表記され続けているのだそうです。