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先日花桃やハナニラの花を見に行った際、公園の敷地のすぐ近くで枝垂れ桜が咲き始めているのを見つけました。今の時期はソメイヨシノの開花ばかりが注目されるものの、枝垂れ桜にもそれに負けない魅力があると思っています。
さて素朴な疑問なのですが、枝垂れ桜の枝はなぜ下向きに垂れ下がっているのでしょうか?今日はそんな疑問について少しだけ調べてみることにしました。
枝垂れ桜の概要
科・属名:バラ科サクラ属
種別:落葉高木
花色:ピンク、白、赤など
花期:3〜4月
原産:日本
別名:イトザクラなど
花言葉:ごまかし、優美、円熟した美人など
◎特徴:
桜のうち枝が垂れ下がる品種の総称です(※狭い意味では、エドヒガン(ソメイヨシノの交雑元)の変種のみを指すこともあります)。糸を下に垂らしたように開花することからイトザクラとも呼ばれます。
ソメイヨシノに比べるとやや花期が早く、品種によっては3月中旬頃から開花します。
枝が下に垂れ下がるのはなぜ?
枝垂れ桜といえば、何と言っても下に垂れ下がった枝が特徴です。他の樹木にはあまり見られない特徴ですが、なぜ枝が垂れ下がるようになったのでしょうか。
これには枝の年輪構造が関係しています。ここでは一般的な桜と枝垂れ桜を例に挙げて、その違いをご紹介したいと思います。
まず一般的な桜の場合、枝の上側は年輪の間隔が広く、下側は間隔が狭い特徴があります。さらにジベレリン(植物ホルモンの一種)の働きにより、枝の上側の組織がより固く変化します。こうして厚く固くなった上側の組織が「引っ張りあて材」としての役割を果たし、枝が下に垂れ下がるのを防いでいます。樹木の枝が重力に逆らって上を向いているのは、この作用によるものと言われています。
一方で、枝垂れ桜の枝は上側も下側も均等に成長します(そのため年輪は同心円状をしています)。さらにジベレリンの生成量が不足しているため、枝の上側の組織を固くすることが難しくなります。よって、枝の上側の組織が薄く柔らかくなるため「引っ張りあて材」としての役割が薄れ、重力に負けた枝は下に垂れ下がるようになります。これこそが枝垂れ桜の「枝垂れ」部分を形成していると考えられます。
ここまでの内容を一言で表すと「枝垂れ桜の枝は、上側が薄く柔らかいため重力に負けて垂れ下がる」といったところでしょうか。
枝が枝垂れる樹木は他にも?
今回は枝垂れ桜を例に挙げましたが、枝が下に垂れ下がる樹木は他にも存在します。例えば以下の樹木に関しても、先程の同様の理由で枝が垂れ下がっていると考えられます。
・枝垂れ梅(ウメ)
・枝垂れ桃(モモ)
・枝垂れ柳(ヤナギ)
・枝垂れ紅葉(モミジ)
・枝垂れ桂(カツラ)
・枝垂れ野茉莉(エゴノキ) など
追伸:
明日より数日程度お休みをいただきます。
本ブログの更新再開に関しては、3月末頃を予定しています。