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かなり前の話になりますが、一昨年の11月にビリディフローラ(原種系イキシア)の球根を購入しました。購入当初はあまりにも球根が小さかったため1シーズン目は蕾すら付かなかったものの、2シーズン目となる今回ようやく花を咲かせてくれました。
ビリディフローラの特徴といえば何と言ってもその花色で、園芸種のイキシアではなかなか見られないエメラルドグリーンの花を咲かせます。花色を考えながら品種を選ぶのもガーデニングの醍醐味ですが、そもそも全ての花の中で最も多い花色は何色なのでしょうか?
花の品種は全部で何種類?
現在、世界には確認されているだけで約20万種の花が存在すると言われています。但し、未発見の植物や品種改良等による新種も含めるとその数はさらに多くなると考えられます。
例えばバラの原種は150〜200品種ほどですが、園芸品種も含めるとその数は数万〜10万種まで跳ね上がります。現在も世界各地で植物の品種改良が進められているため、全てをカウントしようとすると気の遠くなる数字になりそうです。
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全ての花の中で最も多い花色は?
先程の20万種を花色別に分類すると以下のようになります。諸説あるため一概には言えないのですが、自然界では白や黄色の花が相対的に多いようです。
・白系統:30%強
・黄系統:30%弱
・青〜紫系統:20%強
・ピンク〜赤系統:10〜20%弱
・その他(緑など):数%
白や黄色の花が多いのはなぜ?
植物が花を咲かせる目的は、種子を作り自分の子孫を残すためです。そのためには受粉が不可欠なのですが、植物の多くは昆虫などの力を借りて受粉を行う必要があります(※このような植物を虫媒花と呼びます)。
しかしながら、人間の目では赤・黄・青・紫など多様な色に見える花であっても、昆虫にとってはそうではありません。人間と昆虫では認識できる色(=光の波長帯)が異なり、昆虫の場合は白や黄色が認識しやすい色となります。したがって、植物の多くは昆虫などに認識してもらう目的で白や黄色の花を咲かせると言われています。
なお、季節別に見ると春は黄色の花、夏は白い花が相対的に多いようです。この傾向も昆虫目線に立ったものであり、芽吹きの季節である春は黄色、草木が生い茂る夏は白が認識されやすいためだと言われています。確実に受粉して子孫を残すため、植物達も知恵を絞って進化してきたというわけですね。
赤い花が少ないのはなぜ?
白や黄色の花に対して、自然界ではピンク〜赤系統の花は相対的に少ない印象です。その理由は先程触れたとおりで、(白や黄色に対して)ピンク〜赤が昆虫に認識されにくい色だからだとされています。
その一方で、人の手によって品種改良された植物にはピンク〜赤系統の花を咲かせるものも多く存在します。私達人間にとっては花の見た目や色の多様性を楽しむことが最優先であり、昆虫などによる受粉のしやすさはあまり考慮していません。そのため、自然界とは異なる花色の傾向が現れています。
なお、植物の中には開花中に花色を変化させる品種も存在します。例えば、ハコネウツギは開花直後白っぽい色をしてしますが、時間の経過とともに徐々に赤みを帯びていきます。これは敢えて赤みを帯びて目立たなくなることで、まだ受粉を済ませていない新しい花を昆虫達に教えるためだとされています。目立つ色の花を咲かせるだけでなく、こうして目立たない色に変化することも植物なりの戦略だったんですね。