昨日、夕食用に揚げ出し豆腐を作ろうとしていたところ、油を切らしていたことに気付きました。そこで、近所のスーパーへ出向き油を購入することにしました。
一口に油といってもその種類は豊富で、代表的なものとしてはサラダ油などが挙げられます。ところで、サラダ油の用途はサラダだけに限らない気がするのですが…なぜ名前に「サラダ」が付いているのでしょうか?
サラダ油とは?
サラダ油とは植物油の一種で、サラダ・オイルとも呼ばれます。精製度が高く低温でも固まりにくい点が特徴で、現在では日本農林規格(JAS)によってその定義が定められています。前述の定義さえ満たせば「サラダ油」と表記することが可能であり、その原料に関しては特段指定されていません。そのため、サラダ油の原料は菜種、大豆、ごま、とうもろこし、ひまわりの種、米などさまざまです(※これらの原料を調合した製品もあります)。
名前に「サラダ」が付くのはなぜ?
サラダ油の歴史は意外と長く、1924年に日清製油(現:日清オイリオグループ)が販売を開始したところまで遡ります。精製度が高く低温でも固まりにくい特性がサラダドレッシングやマヨネーズなどの低温調理に向いていたことから、「サラダ油」という商品名が付けられていました。低温調理向けであるほか、味や匂いにクセがなくサラダに向いていたことも、名前の由来に関係していたようです。
そして現在ではこの商品名が一般化し、先程触れた定義を満たす植物油全般のことを「サラダ油」と総称するようになりました。そのため、名前の由来から考えると「サラダ油=サラダに向いた油」というのはどうやら本当だったようです。
なおサラダ油は低温調理を得意としますが、もちろんこの用途だけではありません。揚げ物や炒め物に使っても問題はなく、マーガリンの原料として採用されることもあります。
サラダ油とキャノーラ油の違いは?
サラダ油と並んで知名度が高い植物油としてはキャノーラ油なども挙げられます。むしろ我が家の場合は(安いので)キャノーラ油を購入する機会の方が多いのですが、サラダ油とキャノーラ油にはどのような違いがあるのでしょうか?
実は、サラダ油とキャノーラ油はそれぞれ定義の方法が異なるため、両者を完全に分類することはできません。例えば、キャノーラ種のみを原料とする精製度の高い油であれば「サラダ油でもあり、キャノーラ油でもある」ということになります。
◼︎サラダ油の定義
・精製度が高く、かつ低温でも固まりにくいこと。原料の指定はなく、主に精製方法によって定義されている。
◼︎キャノーラ油の定義
・セイヨウアブラナの改良品種である「キャノーラ種」の種を原料としていること。精製方法の指定はなく、主に原料によって定義されている。
◎セイヨウアブラナについてはこちら
【菜の花】菜の花って一体何の花?その正体はあの野菜だった! - アタマの中は花畑
【余談】塩味の煎餅を「サラダ味」と言うのはなぜ?
よく塩味の煎餅のことを「サラダ味」として販売していることがありますが、実はこれにもサラダ油が関わっています。というのも、煎餅のサラダ味は「サラダ油と塩をかけた煎餅」という意味であり、決して野菜サラダの味がする訳ではありません。サラダ油の煎餅が最初に販売されたのは1960年代のことですが、当時は「塩味」ではなく「サラダ(油)味」とした方がおしゃれじゃないか?ということで現在の呼称になったようです。