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【半夏】ヘソクリの語源は野草のカラスビシャクだった!? - アタマの中は花畑
前回の記事で、カラスビシャクの「ヘソ」の正体が根茎であることをご紹介しました。カラスビシャクは冬になると地上部が全て枯れていまいますが…この根茎の中に養分を溜め込んでいるため、翌春になると再び同じ場所で葉を伸ばします。
さて、冒頭で取り上げた根茎は球根の一種なのですが、球根と根茎では少し定義が異なるようです。そこで今回は、そんな球根と根茎の違いについてご紹介したいと思います。
球根植物とは?
本題へ入る前に、まずは球根植物の定義について触れておきたいと思います。球根植物とは多年草の中の一文類で、球根の状態で休眠期を過ごす植物全般を指します。多年草に関しては、休眠期(冬越し・夏越しなど)の状態によって更に常緑多年草、宿根草、球根植物などに分類されます。
常緑多年草:地上部が枯れることはなく、常に葉が出た状態で過ごす植物
宿根草:休眠期には地上部が枯れるが、球根を作らず、根や地下茎の状態で過ごす植物
球根植物:球根の状態で休眠期を過ごす植物
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球根と根茎の違いは?
まず、球根とは「宿根草の一部分に養分を溜め込むことにより、肥大化した貯蔵器官」のことを指します。肥大化する部位については特に定義されておらず、部位によって以下のように呼び方が異なります。したがって、球根は該当する植物の総称、根茎は球根の中の1文類ということになります。
◎球根(きゅうこん)
・宿根草の一部分が肥大化した植物の総称
◎球茎(きゅうけい)
・球根植物のうち、茎が肥大化するもの(うち、球根の外側が薄皮で覆われているもの)
◎塊茎(かいけい)
・球根植物のうち、茎が肥大化するもの(うち、球根の外側に薄皮がないもの)
◎根茎(こんけい)
・球根植物のうち、地下茎全体が肥大化するもの
◎鱗茎(りんけい)
・球根植物のうち、葉が肥大化するもの
◎塊根(かいこん)
・球根植物のうち、根が肥大化するもの
代表的な植物
先程取り上げた球根の5分類(球茎、塊茎、根茎、鱗茎、塊根)にはそれぞれどのような植物が属しているのでしょうか?ここでは代表的な植物をいくつか挙げてみました。
◎球茎(きゅうけい)
・サトイモ、グラジオラス、クロッカス、アイリス、フリージアなど
◎塊茎(かいけい)
・ジャガイモ、シクラメン、アネモネ、球根ベゴニアなど
◎根茎(こんけい)
・レンコン、ワサビ、アヤメ、カンナ、スズランなど
◎鱗茎(りんけい)
・タマネギ、ユリ、ニンニク、チューリップ、ヒヤシンス、アマリリス、スイセンなど
◎塊根(かいこん)
・サツマイモ、ラナンキュラス、ダリアなど