今くらいの時期になるとあちこちでススキの花穂を見かけますが、中には「ススキのようでススキではない植物」の花穂も含まれているかもしれません。そんなススキに似た植物の一つが、こちらのパンパスグラスです。
上の写真は近所でたまたま見かけて撮影したものですが、この写真だけを見るとススキによく似ていますよね。ということで今回は、パンパスグラスとススキの違いについてご紹介したいと思います。
パンパスグラスの概要
科・属名:イネ科シロガネヨシ属
種別:多年草
花色:白、黄、ピンク
花期:8〜10月
原産:南アメリカ
別名:シロガネヨシなど
花言葉:光輝、人気、雄大な愛など
◎特徴:
南アメリカ原産の多年草で、日本へは明治時代に伝来しました。非常に大型で、開花期になると草丈が3mに達することもあります。羽毛のようなフサフサした花穂が特徴で、切り花やドライフラワーとしても人気が高いです。寒さにはやや弱く、北日本では路地植えが難しいとも言われています。
雌雄別株のため雌株と雄株がそれぞれ存在し、雌株(雌花)の方がよりフサフサした花穂を付けます。そのため、園芸上は雌株の方が人気は高いと言われています。
名前の由来は?
パンパスグラスの原産地は南アメリカで、現地では草原地帯のことをパンパス(またはパンパ)と呼びます。そのため、南アメリカの草原地帯に生える草(grass)という意味合いで「パンパスグラス」と名付けられました。
また和名では「シロガネヨシ」と呼ばれますが、こちらは白金色の花穂を持つヨシ(葦)に似た植物であることが由来となっています。
パンパスグラスとススキの違いについて
パンパスグラスとススキはどちらもイネ科の植物であり、その見た目はよく似ています。私自身もパンパスグラスのことを「大きなススキではないか?」と勘違いしていたことがありますが、実際には以下のような特徴・違いがあります。草丈はもちろんのこと、花穂の見た目も大きく異なるため、開花期であれば比較的容易に見分けることができます。
◎パンパスグラスの特徴(写真左)
・南アメリカ原産の多年草
・花期は8〜10月頃
・草丈は2〜3m程度
・花穂は羽毛のようにフワフワしており、直立している
◎ススキの特徴(写真右)
・東アジア原産の多年草
・花期は8〜10月頃
・草丈は1〜2m程度
・パンパスグラスに比べると花穂はシンプルで、下に垂れ下がっている