アタマの中は花畑

小さな花壇と家庭菜園を手に入れたガーデニング初心者の日々

【雑談】植物に触ると静電気が逃げるのはなぜ?

10月も下旬に差し掛かり、日を追うごとに肌寒く感じる日が増えてきました。そして、冬を迎えるこれからの季節に厄介なのが静電気です。ドアノブを触ろうとした時や着替える時など、急にバチッ!と音を立てて痛みを感じるのは冬ならではですよね。

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そんな静電気ですが「植物に触ると静電気が逃げる」みたいな話を耳にされたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は私も半信半疑なのですが、これって本当に効果があるのでしょうか?

 

 

静電気とは?

静電気とは、物体に帯電している電気のことを指します。電気には「プラスの電気」と「マイナスの電気」の2種類があり、普段はこれらのバランスが保たれ安定状態を維持しています。ところが、物体には「プラスの電気が帯電しやすい物体」と「マイナスの電気が帯電しやすい物体」の2種類があり、これらの物体同士が触れ合うことで双方に帯電していた電気が移動します。こうしてプラス・マイナスの電気のバランスが崩れ、不安定な状態となります(※プラスに帯電した物質とマイナスに帯電した物質は互いに引かれ合うため、お互いにくっついて離れない性質もあります)。電気としては元の安定状態に戻ろうとするため、別の物体に触れたタイミングで放電を行います。この時にバチッ!と音を立てるのが、よく知られている静電気の正体です(※)。

※厳密には帯電している電気のバランスが崩れた状態、およびその時に帯電している電気のことを静電気と呼びます。バチッ!と音を立てるのは、静電気による放電現象のことです。

 

静電気が冬に発生しやすいのはなぜ?

静電気自体は年中発生し得るものですが、特に冬に多く発生する印象です。夏ではなく冬に静電気が発生しやすいのは一体なぜなのでしょうか?

 

これには冬の気候が深く関係しています。夏に比べて冬は湿度が低く、空気も乾燥していますよね。湿度の高い夏の場合、物体に帯電した静電気は大気中の水分へ放電します。しかしながら、湿度の低い冬は大気中の水分も少ないため、帯電した電気を大気中へ放電することができません。したがって冬は物体に静電気が溜まりやすくなり、バチッ!という放電現象が頻繁に発生するというわけです。

また、冬になると服を重ね着する傾向があるため、服同士が摩擦され静電気が溜まりやすくなるのも理由の一つです。

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植物に触ると静電気が逃げるのは本当?

物体に溜まった静電気が一気に放電されることで、あのバチッ!という音・痛みが発生します。つまり、静電気をゆっくり放電することで音や痛みを和らげることができます。

ここでようやく本題に入りますが、ドアノブを触ったり着替えたりする前に植物に触れることで、帯電していた静電気がゆっくりと植物へ放電されます。放電した静電気は植物を伝って地面へ逃げていくため、結果として静電気特有の現象を和らげることができます。したがって、植物に触ると静電気が逃げるのは本当だと考えられます。この現象は生きている植物だけではなく、木製の壁や柱、さらにはコンクリートなどに触るとことでも同様の効果が得られるようです。

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なお、必ずしも全ての静電気が放電されるわけではなく、場合によっては植物に触れることでバチッ!という音・痛みが発生してしまうこともあります。植物に触れるのはあくまでも現象を和らげるための手段の一つであり、根本的な解決策ではないため注意が必要です。

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