年末年始に帰省した際、実家の畑でニンジンを収穫しました。(失敗続きにより)我が家ではニンジンの栽培を見送っていたため、こうして人参を分けてもらえるのはありがたい限りです。長男・次男は基本畑の中を走り回っていましたが、野菜の収穫にも少しだけ興味を持ってくれたようです。
(※写真内に写っているのは次男です)
▲以前我が家で収穫したニンジン(参考)
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↑に掲載した我が家の悲惨なニンジンとは違い、実家では丸々太ったニンジンを収穫することができました。さて、ニンジンといえばこちらの写真のように「真っ直ぐ伸びたもの」が一般的ですが、中には途中で枝分かれしたような「ヘンテコな形のもの」が採れることもあります。実はこの日もさまざまな形状のニンジンを収穫したのですが、変形してしまうのは一体なぜなのでしょうか?
ニンジンの概要
科・属名:セリ科ニンジン属
種別:一年草(二年草)
花色:白
花期:6月
収穫期:4〜7月、10〜12月
原産:中央アジア
別名:、セリニンジン(芹人参)、ナニンジン(菜人参)など
花言葉:幼い夢など
◎特徴:
中央アジア原産の一年草(種まきの時期によっては冬を越すため二年草として扱われる場合あり)で、日本では江戸時代から栽培されています。ニンジンは中国から伝わった東洋系(長根種)とヨーロッパ・アメリカから伝わった西洋系(短根種)の大きく2つに分かれますが、現在では主に西洋系が流通しています。食用となるのは根にあたる部分で、加熱することにより甘味が強まります。
◎ニンジンの概要は下記記事からの引用です
【雑談】人参と高麗人参は同じ「ニンジン」なの? - アタマの中は花畑
股根の原因と対策について
こちらの写真は、冒頭に掲載した写真と同じ日に収穫したニンジン達です。右側はかろうじてニンジンとしての形状を留めていますが…左側に至ってはニンジンかどうか分からないくらい変形・枝分かれしてしまっていることがわかります。全て同じ環境(畑)で育てたものなのですが、なぜここまで形状に違いが出てしまうのでしょうか?
まず、今回取り上げたような主根が枝分かれしてしまう現象のことを股根(またね)と呼びます。ここでは、股根を引き起こす主な原因と対策について整理してみました。原因の多くは「何かしらの障害物」であるため、この障害物を除去することで股根も発生しにくくなるものと考えられます。
①石や枝などの障害物
・ニンジンの主根が土中の石や枝にぶつかった際、それを回避しようと主根が枝分かれしてしまうことがあります。実家の畑には元々石が多く混ざっており、今回の股根はおそらくこれが原因だと考えられます。同様に、土壌が硬過ぎる場合も股根の発生リスクは高まります。
・対策としては、ニンジンを育てる前に石や枝などの障害物をできるだけ除去した上で、土をよく耕しておくことなどが挙げられます。
②肥料
・①と同様、主根が肥料の塊にぶつかることでも枝分かれすることがあります。また、未熟な堆肥から発生するガスも股根の原因となります。
・対策としては①と同様、土をよく耕しておくことなどが挙げられます。また堆肥を用いる場合は、ニンジンを育て始める前に十分余裕をもって土に混ぜ込んでおく必要があります。
③害虫
・センチュウをはじめとした土中の害虫達も股根の要因となります。
・センチュウの対策としては、連作を避けてさまざまな野菜を代わり代わり育てることや、(センチュウが苦手とする)コンパニオンプランツと一緒に植えることなどが挙げられます。
◎センチュウ対策についてはこちら
【チューリップ】同じ場所で毎年花を楽しみたい!石灰窒素による線虫(センチュウ)駆除に挑戦! - アタマの中は花畑
④種
・ニンジンの種が古過ぎる場合、生育障害の1つとして股根が発生することがあります。
・ニンジンの種は寿命が短い(1〜2年程度)ため、購入した種をまく場合は予め種袋裏側の有効期限を確認しておくようにしましょう。
◎種の有効期限についてはこちら
【室内夏野菜⑦】全ての野菜が屋外デビュー!〜種の有効期限と発芽率について〜 - アタマの中は花畑
股根のニンジンは美味しく食べられるの?
「股根=ただ主根が枝分かれしただけ」ですので、どんな形状であっても美味しくいただくことができます。
ただ実際調理をしてみて感じるのですが…洗いにくい・皮が剥きにくい・包丁で切りにくいことには変わりありません。味は変わらないはずですが、やっぱり自分で使うのであれば真っ直ぐ伸びたニンジンの方が良いなぁ…と思ってしまう今日この頃です。