先日、近所で催された味噌作りのイベントに参加してきました。この日行ったのは蒸した大豆を擦り潰すところから容器に仕込むところまででしたが、息子達にとっても貴重な体験になりました。完成は半年〜1年後とのことで、この「自家製味噌」で味噌汁が作れる日をとても楽しみにしています。
さて、味噌の原料としてよく知られているのは今回も使用した大豆なのですが…大豆以外の豆を使用した味噌はあまり見かけないような気がします。そもそも、大豆以外の豆で味噌を作ることは可能なのでしょうか?
味噌の作り方(概要)
本題へ入る前に、まずは一般的な味噌の作り方について簡単に整理しておきたいと思います。こうして見ると工程は意外とシンプルですが、⑤の熟成期間中はカビや雑菌が極力発生しないよう気を遣う必要があります(ex.容器を予め殺菌する、上に重しを置いて空気が入らないようにする等)。
①大豆を十分に水に浸す
②吸水が完了したら鍋で大豆を蒸す、あるいは煮る(炊く)
③粗熱を取った大豆を擦り潰し、塩と麹を混ぜる
④空気が入らないように容器へ詰め、重しを置いて熟成させる
⑤そのまま熟成させれば完成
自家製味噌の熟成適温は25〜30℃程度と言われ、温度が低いほど熟成に要する期間も長くなります。また完成した自家製味噌はある程度日持ちしますが、雑菌などの混入を考慮すると完成後1年以内に食べてしまった方が良いと言われています。
赤味噌と白味噌の違いは?
愛知県出身の私は専ら赤味噌で育ちましたが、地域によっては白味噌の方が多く消費されています。味噌は色合いによって「赤味噌」「白味噌」「淡色味噌」の3系統に分けられ、それぞれ以下のような違いがあります。
◎赤味噌の特徴
・蒸した大豆を主原料としている
・熟成中に発生するメイラード反応(大豆や麹に含まれるアミノ酸が糖と反応し、茶色に変色する反応)により、色合いは赤茶色となる
・白味噌に比べて熟成期間が長い(半年以上)
・塩分濃度が高く、貯蔵性に優れている
◎白味噌の特徴
・煮た大豆を主原料としている
・大豆を予め煮ることで熟成中にメイラード反応が発生しにくくなるため、色合いは淡い茶色となる
・赤味噌に比べて熟成期間が短い(数日〜数カ月程度)
・塩分濃度が低く、(麹の割合が高いため)甘みが強い
◎淡色味噌の特徴
・短時間蒸した大豆を主原料としている
・赤味噌ほどではないがメイラード反応が発生するため、色合いはやや黄色味を帯びた茶色となる
・性質は赤味噌と白味噌のほぼ中間である
また、原料として用いる麹の種類によっても味噌の呼称は異なります。米麹を用いるものは「米味噌」、麦麹を用いるものは「麦味噌」、豆麹を用いるものは「豆味噌」と呼ばれ、消費量では米味噌が全体の約8割を占めます。私の地元で作られる八丁味噌に関しては、米味噌ではなく豆味噌の類に含まれます。
なお「合わせ味噌」と呼ばれる味噌もありますが、こちらは性質の異なる2種類以上の味噌(赤味噌/白味噌/淡色味噌、米味噌/麦味噌/豆味噌など)を混ぜ合わせたものの総称です。
大豆以外の豆でも味噌は作れるの?
先程取り上げた味噌達(赤味噌/白味噌/淡色味噌、米味噌/麦味噌/豆味噌)はいずれも大豆を主原料としますが、大豆以外の豆でも同様に味噌を作ることができます。例えば小豆やひよこ豆、白花豆などは味噌の印象がほとんど無いのですが、検索してみると味噌のレシピがいくつも表示されることがわかりました。用いる豆の種類によって味噌の風味も変わるようなので、さまざまな自家製味噌を作ることで料理の幅が広がるかもしれません。