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以前の記事の中で、私がよく購入するナッツ類としてカシューナッツを挙げました。そんなカシューナッツと並ぶくらい好きなのが、今回取り上げるピスタチオです。(単価が高いので)カシューナッツに比べると購入頻度は低いものの…アイスクリームやチョコレートに入っているものも含めると、それなりに口にする機会が多い印象です。
そんなピスタチオと言えば、殻が付いたままの状態でよく販売されていますよね。私からすれば殻はない方がありがたいのですが、そもそも殻付きで販売されているのは一体なぜなのでしょうか?
ピスタチオの概要
科・属名:ウルシ科カイノキ属
種別:落葉亜高木
花色:白
花期:5〜7月
収穫期:9〜10月
原産:中央アジア
別名:ナッツの女王など
花言葉:─
◎特徴:
中央アジア原産の落葉亜高木で、現在では主にアメリカやイランで栽培されています。日照時間が長く、かつ乾燥した気候を好むため、日本での栽培は難しいとされています。雌雄別株のため、実を収穫するためには最低でも2本の木が必要になります。
主に種子の中の仁(じん)を食用とし、その色や味わい、栄養価の高さから「ナッツの女王」と呼ばれることもあります。
殻の付いた状態で販売されているのはなぜ?
冒頭でも触れましたが、ピスタチオの多くは殻付きの状態で販売されています。そのため食べる際にはこの殻を取り除く必要があり、どうしても一手間余計にかかってしまいます。。。
例えば同じく殻を持つ落花生に関しては、その多くが殻を取り除いた「ピーナッツ」の状態で流通していますよね。それにも関わらず、ピスタチオの殻が付いたままなのは一体なぜなのでしょうか?
調べてみたところ、そもそもピスタチオの殻は人工的に割ったものではなく、実が熟した段階で自然と亀裂が入るものなのだそうです。亀裂は殻を真っ二つに割るように入るため、少し力を加えるだけで簡単に殻を取り除くことができます。したがって、ピスタチオが殻付きで販売されている理由の1つは「勝手に亀裂が入るため、特に加工する必要がないから」だと言えそうです(※)。私自身「わざわざ殻を中途半端に割るくらいなら全部取り除いたら良いのに!」と文句を垂れていた人ですが、全くの見当違いでした。。。
(※日本で流通しているピスタチオの大半は煎ったものですが、加熱により亀裂が入っている訳ではありません。また、中には亀裂が入らない種子もあるため、そのような場合に限りハンマーなどで割ることもあるようです。)
また、ピスタチオの殻にはもう1つ重要な役割があります。ピスタチオは元々乾燥した地域を原産とするため、日本のような湿気の多い環境には弱い性質があります。そこで殻付きの状態で販売することにより湿気を防ぎ、ピスタチオの風味を損なわないようにしていると考えられます。
緑っぽい色をしているのはなぜ?
ナッツ類と言えばその大半が褐色〜茶色のイメージですが、ピスタチオに関しては緑っぽい色合いをしていますよね。よく店頭でピスタチオ味のスイーツを見かけますが、その時のイメージカラーも大抵緑色です。「ピスタチオグリーン」と呼ばれるこの色合いは、葉緑素でもお馴染みのクロロフィル(緑色の色素)によるものです。パッと見では「未熟な青い実なのかな…?」と勘違いしてしまいそうですが、これでもしっかり熟しているため口にしても全く問題ありません。
なおクロロフィルは加熱により脱色・変色しやすいため、そのままスイーツに加工しても綺麗なピスタチオグリーンを表現することは難しいとされています。そのため、市販のピスタチオ商品の大半は着色料によって色合いを表現しています。