現在、我が家では柑橘類を2種類(レモン、柚子)育てています。いわゆる“旗竿”と呼ばれる敷地で日差しが入りにくいこともあり、酸っぱくても問題ないレモンと柚子を選んだ経緯があります。レモンに関しては昨シーズン1個しか収穫できなかったため、今シーズンはもう少し多くの実が付いて欲しいものです。
さて、我が家でレモン・柚子を選んだ理由として「日当たりが良くないので、実が酸っぱくなりやすい」ことを挙げました。何となく日当たりの良い場所の方が実も甘くなるような気がするのですが…これって本当なのでしょうか?
日当たりの良い場所の方が柑橘類の実は甘くなるの?
冒頭でも取り上げたこちらの説ですが、あながち間違っている訳ではないようです。柑橘類の糖度を上げる方法は色々ありますが、そのうちの1つとして「活発な光合成により糖の生成を促進すること」が挙げられています。日当たりの悪い場所では光合成の効率も悪くなるため、結果として糖度の低い(酸っぱい)実になりやすいと言われています。
このほか、適度な追肥(木の成長に不可欠)や摘果(光合成などによって得られた養分を分散させ過ぎないようにする)なども実の糖度を上げる方法として知られています。さらに水分量を制限して木にストレスを与えることで、果汁が凝縮され甘い実になりやすい傾向があります。温室みかんが甘いのも、栽培中の水分量を調整して育てているためだと言われています。
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酸っぱい柑橘類なら日当たりの悪い場所でも問題ないの?
柑橘類の糖度を上げる方法の1つとして、日当たりの良い場所で育てることを挙げました。甘味の強いみかんであればもちろん必要だと思うのですが…元々酸っぱいレモンや柚子なら、日当たりの悪い場所で育てても問題ないものなのでしょうか?
調べてみたところ、その答えはNOのようです。レモンや柚子に関しても日当たりの良い場所を好むため、日当たりの悪い場所で育てると生育や花付きが悪くなる傾向があります。肝心の実がならなければ、実の糖度云々も語れなくなってしまいますよね。
我が家のレモン・柚子に関してはこれ以上日当たりの良い場所がないため、今の環境で我慢してもらうことにします。。。
※先程「元々酸っぱいレモンや柚子」と記載しましたが…実は意外と糖度が高く、イチゴと同程度の甘さを持つとも言われています。但し酸味(クエン酸)も多く含むため、肝心の甘さがかき消されてしまっている、というのが実状のようです。
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【余談】和歌山県や愛媛県でみかんの生産量が多いのはなぜ?
例えば温州みかんの場合、都道府県別の生産量ランキングは以下のとおりです(2021年)。愛知県出身の私であればまず三ヶ日(静岡県)や蒲郡(愛知県)を連想するのですが、全国的には和歌山県や愛媛県などが有名な産地として挙げられます。それでは、和歌山県や愛媛県でみかんの生産量が多いのは一体なぜなのでしょうか?
・1位:和歌山県
・2位:愛媛県
・3位:静岡県
・4位:熊本県
・5位:長崎県
・6位:佐賀県
・7位:愛知県
実はこの理由に関しても、今回取り上げた「日当たり」が深く関係しています。和歌山県や愛媛県は1年を通して晴れの日が多く、温暖な気候であることがまず挙げられます。加えて海沿いの傾斜地が多く、海からの反射光を含めて日当たりが良い点もみかんの栽培に適しています。