桜(ソメイヨシノ)のシーズンはあっという間に過ぎ去り、我が家の近所でもほぼ全ての花が散ってしまいました。残った花弁の多くも、今日の雨には耐えられないかもしれません。
毎年桜が散ると少し物寂しい気分になるのですが、今年は近所で「別のピンク色の花」を見つけることができました。これから見頃を迎えるであろうこちらの花はベニバナトキワマンサクと呼ばれる樹木のものです。「マンサク」と聞くと早春に咲く黄色の花をイメージしてしまうのですが、両者は同じ仲間なのでしょうか?
ベニバナトキワマンサクの概要
科・属名:マンサク科トキワマンサク属
種別:常緑低木〜小高木
花色:ピンク、赤
花期:4〜5月
原産:中国
別名:アカバナトキワマンサクなど
花言葉:霊感、おまじない、私から愛したいなど
◎特徴:
中国原産の常緑低木〜小高木で、日本でもごく一部の地域に限り自生しています。病害虫や強剪定に強く、かつ葉の密度が低い(=重い印象を与えない)ため、庭木としても重宝されています。
暖かい地域では冬でも葉が青々としている一方で、寒い地域では一部の葉が落ちることもあるため「半常緑樹」として扱うケースもあります。
名前の由来は?
ベニバナトキワマンサクは漢字で「紅花常盤万作」と記載します。これを紅花+常盤+万作に分割するとイメージしやすくなるのですが、マンサク(万作)に似た赤い花(紅花)を咲かせる常緑樹(常盤)であることが名前の由来だとされています。
なお、ベニバナトキワマンサクはトキワマンサクの変種にあたります。トキワマンサクの花色は白が多いですが、前述の関係性によりピンクや赤の花を咲かせる品種も「トキワマンサク」とまとめて呼ぶこともあります。
▲トキワマンサク(参考)
ベニバナトキワマンサクとマンサクは同じ「万作」なのか?
冒頭でも触れたとおり、「マンサク」と聞くと早春に開花する黄色い花を想像される方も多いかもしれません。そんなマンサクに似た花を咲かせることも名前の由来となっているベニバナトキワマンサクですが、実際のところ両者は同じ仲間なのでしょうか?
▲マンサク(参考)
調べてみたところ、マンサクはマンサク科マンサク属、ベニバナトキワマンサクはマンサク科トキワマンサク属にそれぞれ属しています。したがって、両者は性質こそ似ているが厳密には異なる植物であると考えられます。
ここで、マンサクと(ベニバナ)トキワマンサクの違いを簡単にまとめてみました。花の見た目はよく似ていますが、花期や冬季の葉の付き方で比較的容易に見分けることができます。
◎マンサクの特徴
・花期は1〜3月頃
・花色は黄
・冬には葉を落とす落葉樹
・(ベニバナ)トキワマンサクに比べて葉が大きい
◎(ベニバナ)トキワマンサクの概要
・花期は4〜5月頃
・花色は白、ピンク、赤
・冬でも葉を茂らす常緑樹
・マンサクに比べて葉が小さい
ちなみに…マンサク(マンサク科マンサク属)の中にも赤色の花を咲かせる品種が存在します。こちらはアカバナマンサクと呼ばれる落葉樹で、早春に花を見かけることができます。
▲アカバナマンサク(参考)