ゴールデンウィークに田植え手伝いで帰省した際、近くの用水路でクレソンを見つけました。私が小さい頃からよく見かけていた植物の1つですが…当時は雑草の1つとしか認識しておらず、食べられることを知ったのは大きくなってからでした。
ということで今回は、そんなクレソンについてご紹介したいと思います。別名で「オランダガラシ」と呼ばれることもあるようですが、どうしてそのような名称になったのでしょうか?
クレソンの概要
科・属名:アブラナ科オランダガラシ属
種別:多年草
花色:白
花期:4〜5月
収穫期:3〜5月
原産:ヨーロッパ〜西アジア
別名:オランダガラシ、クレスなど
花言葉:不屈の力、安定、着実、忍耐力など
◎特徴:
ヨーロッパ〜中央アジアを原産とする多年草です。汚れた水でも生育可能でかつ繁殖力が旺盛であることから、「不屈の力」「忍耐力」などの花言葉が付けられています。当初は在留外国人向けの野菜(肉料理の付け合わせなど)として栽培されていましたが、その繁殖力の強さで帰化し、日本でも全国各地の水中・湿地で見かけられるようになりました。
現在では人工栽培により1年中入手可能ですが、自生しているものを採取する場合は開花前の3〜5月頃が旬だとされています。
別名に「オランダ」が付くのはなぜ?
日本ではクレソンと呼ばれることが多いこの植物ですが、正式な標準和名は「オランダガラシ」です。和名と言いつつ名前にオランダがついていますが…なぜこのような名称になったのでしょうか?
これにはクレソンの渡来ルートが深く関係しています。日本へクレソンがやって来たのは明治3〜4年頃で、その渡来元がオランダだったことから名前に「オランダ」が付けられたようです。どこかで聞いたことのある話だな…と思い過去の記事を参照してみると、カーネーション(オランダナデシコ)に関しても同様の理由で命名されていました。
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別名に「カラシ」が付くのはなぜ?
オランダガラシの「オランダ」が渡来元に由来していることが分かったので、続いては後半の「ガラシ(カラシ)」についてもご紹介します。こちらは実際に食べてみても分かるのですが、ピリッとした辛味を持つことからその名前が付けられたと言われています。辛味の正体はシニグリンと呼ばれる成分で、食欲増進や血行促進などにも効果があります。
なお「カラシ」と言えば辛子(和がらし)やマスタード(洋がらし)を連想しますが、これらの原料であるオリエンタルマスタードやイエローマスタードもクレソンと同じくアブラナ科の植物です。花の見た目こそ異なりますが、ピリッとした辛味はいずれもシニグリンによるものです。
▲オリエンタルマスタード(からし菜)の花
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