先日、道端でコバンソウが群生しているのを見かけました。ちょうど今くらいの時期に穂を出すので、私にとっては「初夏の植物」のイメージです(※私の実家にもたくさん生えていたのですが、先日帰省した際にはほとんど無くなっていました)。
本ブログへの登場は初めてとなるため、今回はこちらのコバンソウについて少しご紹介できればと思います。
コバンソウの概要
科・属名:イネ科コバンソウ属
種別:一年草
花色:薄黄(花弁なし)
花期:5〜7月
原産:地中海沿岸
別名:タワラムギ(俵麦)など
花言葉:お金持ち、興奮、熱狂、心を揺さぶるなど
◎特徴:
地中海沿岸を原産とする一年草で、日本では本州中部以南に広く分布しています。元々は観賞用として明治時代に渡来したものですが、その後逃げ出して野生化(帰化)しています。花弁は退化しており、穎(えい)と呼ばれる鱗状の包葉から雌しべ・雄しべを出して開花します。
名前の由来は?
その見た目の通り、穂先が小判のように見えることからコバンソウと名付けられました(※米俵に見立ててタワラムギと呼ばれることもあります)。そのため、花言葉にもお金を連想させるものがいくつか存在します(お金持ちなど)。
名前の由来にもなった穂先の部分ははじめ黄緑色をしていますが、種子が熟すにつれて徐々に黄金色へと変わっていきます。表面には光沢があり、その見た目は小判そのものです。
オオバンソウ(大判草)も実在するの?
ここからは余談になりますが…コバンソウ(小判草)に加えてオオバンソウ(大判草)も実在します。但し、オオバンソウ(別名:ゴウダソウ、ルナリアなど)はアブラナ科に属しており、性質的にはコバンソウとは全く異なる植物です。一方で楕円形の果実が大判に見えることからその名が付けられており、「名前の由来」という観点ではコバンソウと共通点もあるとも言えそうです。
▲オオバンソウの花と果実(参考)
なおコバンソウと同じイネ科の植物であれば、チュウコバンソウやヒメコバンソウも日本に分布しています。こちらは見た目も含めてコバンソウによく似ていますが、穂先の大きさである程度見分けることができます。
・コバンソウ:穂先は1〜2cm程度
・チュウコバンソウ:穂先は4〜5mm程度
・ヒメコバンソウ:穂先は2〜3mm程度
▲ヒメコバンソウ(参考)
ヒメコバンソウであれば私もよく見かけるのですが、チュウコバンソウに関しては実は見たことがありません。個体数も少ないようなので、(いつになるか分かりませんが)機会があれば探してみたいと思います。