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【雑談】イチリンソウとニリンソウは花の数だけが違うの？ - アタマの中は花畑
先日投稿した記事の中で、イチリンソウとニリンソウの違いについてご紹介しました。両者の違いは主に花の数(※)だったのですが、同じような関係にありそうな植物がもう1組あることを思い出しました。
※必ずしも花の数で見分けられる訳ではなく、厳密には花の大きさや葉の形状などから見分ける必要があります。
▲イチリンソウ(左)とニリンソウ(右)
それが今回取り上げるヒトリシズカとフタリシズカです。こちらも名前から考えるとヒトリシズカは花穂が1本、フタリシズカは花穂が2本のような気がしますが…両者の違いは本当にこれだけなのでしょうか？
ヒトリシズカの概要
科・属名：センリョウ科チャラン属
種別：多年草
花色：白(厳密には花弁なし)
花期：4〜5月
原産：日本、朝鮮半島、中国
別名：マユハキソウ(眉掃草)など
花言葉：隠された美、愛にこたえてなど
◎特徴：
日本、朝鮮半島、中国などを原産とする多年草で、日本では北海道〜九州のやや湿った山林に分布しています。
春に長さ2〜3cm程度の花穂を付けますが、花弁や萼が退化しているため、糸状の雄しべ(花糸)がブラシ状に生えたような見た目をしています。その見た目が源義経が寵愛した静御前(しずかごぜん)が1人で舞い踊る姿に似ていたことから、ヒトリシズカと名付けられました。また、眉掃に似ていることからマユハキソウ(眉掃草)と呼ばれることもあります。
フタリシズカの概要
科・属名：センリョウ科チャラン属
種別：多年草
花色：白(厳密には花弁なし)
花期：4〜6月
原産：日本、朝鮮半島、中国
別名：サオトメバナ(早乙女花)など
花言葉：静御前の面影、いつまでも一緒になど
◎特徴：
日本、朝鮮半島、中国などを原産とする多年草で、日本では北海道〜九州のやや湿った山林に分布しています。初夏に花穂を伸ばし、米粒のような白い花を咲かせます。こちらは静御前とその亡霊が舞い踊る姿に見立て、フタリシズカと名付けられました。
なお別名である早乙女花ですが、実はヘクソカズラの別名としても用いられています。但しヘクソカズラはアカネ科に属しているため、見た目や性質はフタリシズカと全く異なります。
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ヒトリシズカとフタリシズカの違いは？
概要欄でも触れたとおり、ヒトリシズカとフタリシズカは源義経が寵愛した静御前に由来しています。ただヒトリシズカは静御前のみ、フタリシズカは静御前とその亡霊に見立てられていることから、花穂の数も関係していそうです。この場合は「花穂の数」が主な見分け方になるのですが、これ以外にも違いはあるのでしょうか？
ここでは、ヒトリシズカとフタリシズカの特徴について簡単にまとめてみました。こちらも花穂の数のみが違うのかと思いきや、必ずしもヒトリシズカは花穂が1本、フタリシズカは花穂が2本という訳ではありません。そのため花穂の数だけではなく、花の見た目や草丈などから判別する必要があります。
◎ヒトリシズカの特徴(写真左)
・1本の茎に対して花穂を1本伸ばすことが多い(※稀に2本伸ばす場合あり)
・雄しべが細長く、花はブラシのような見た目をしている
・4枚の葉が対生(1段)し、その間から花穂を伸ばす
・フタリシズカに比べて草丈が低い(草丈10〜30cm程度)
・葉は小さく、表面には光沢がある
◎フタリシズカの特徴(写真右)
・1本の茎に対して花穂を2本伸ばすことが多い(※稀に1本、または3本以上伸ばす場合あり)
・雄しべが丸く、花は米粒のような見た目をしている
・2枚の葉が対生(2〜3段)し、その間から花穂を伸ばす
・ヒトリシズカに比べて草丈が高い(草丈30〜60cm程度)
・葉は大きく、表面には光沢がない
【余談】サンニンシズカやヨニンシズカは実在するの？
冒頭に掲載した関連記事ではイチリンソウ、ニリンソウ、サンリンソウまで実在することをご紹介しました。ということは、今回も同じようにサンニンシズカ、ヨニンシズカ…が実在するのでしょうか？
少し調べてみたのですが、「●●シズカ」に関しては今回取り上げたフタリシズカまでしか実在しないようです。稀に3本以上の花穂を持つ株が出現しますが…こちらは「サンニンシズカ」ではなく、紛れもなくヒトリシズカかフタリシズカのいずれかです。
