ゴールデンウィーク前半くらいの話題になりますが、近所の畑でスターチスが見頃を迎えていました。幼少期は「ドライフラワーの花」と覚えてしまっていたのですが、大人になりようやく正式な名前で覚えることができました。
間違って覚えていた名前の通り、スターチスは今でもドライフラワーの定番です。私達の身の回りでは数多くの花が咲いていますが、その中でスターチスがドライフラワー用の花として選ばれるのは一体なぜなのでしょうか?
スターチスの概要
科・属名:イソマツ科イソマツ属
種別:多年草(または一年草)
花色:白、黄
花期:5〜7月
原産:地中海沿岸
別名:ハナハマサジ、リモニウムなど
花言葉:永久不変、変わらぬ心、途絶えぬ記憶など
◎特徴:
地中海沿岸の乾燥地域を原産とする多年草で、日本へは昭和初期に渡来しました。元々は多年草ですが、日本では夏の暑さに耐えられないケースが多いため主に一年草として扱われています。イソマツ属に属する植物の中では最も広く栽培されており、切り花やドライフラワーとしても人気があります。
古代ギリシャでは下痢止めの薬草として扱われていたことから、ギリシア語で止めるを表す「statizo」が名前の由来だとされています。
あの部分は花ではなかった!?
スターチスの花と言えば紫、ピンク、黄色などの花色を思い浮かべますが…想像したあの部分は実は花ではないのだそうです。ブラシ状の花のように見える部分の正体は萼(がく)で、本当の花は萼の内側でひっそりと開花します。
例えばこちらの写真でも、紫色の額の内側で白い花が開花していることがわかります。便宜上、萼の色をそのまま花色として扱ってしまうことが多いですが、今回の写真で言えば「スターチスの花色は白」ということになります。
ドライフラワーに適しているのはなぜ?
冒頭でも触れた通り、スターチスはドライフラワーに適した花の1つです。その理由としては、先程ご紹介した萼が深く関係しているのだそうです。
スターチスの萼は元々水分量が少なく、乾燥させてもその見た目や色合いはあまり変わりません。つまり、ドライフラワーに加工しても綺麗な見た目を長く楽しめることが「ドライフラワー向き」と言われる1番の理由だとされています。 永久不変、変わらぬ心、途絶えぬ記憶といった花言葉が付けられているのも、この性質によるものだとされています。
同じような性質を持つ植物としてはヘリクリサム(ムギワラギク、帝王貝細工)などが挙げられ、こちらも花弁の水分量が少ないため、ドライフラワーとしても長く楽しめます。
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