先日、道端でオオバコらしき植物を見かけました。ただ私がイメージするオオバコとは少し様子が異なるため、写真を撮影した上で調べてみたところ…どうやらツボミオオバコ(タチオオバコ)と呼ばれる品種だったようです。
せっかくの機会なので、今回見つけたツボミオオバコと一般的なオオバコ(オオバコ、セイヨウオオバコ)の違いについて整理してみることにしました。
オオバコの概要
科・属名:オオバコ科オオバコ属
種別:多年草
花色:白
花期:4〜8月
原産:日本
別名:オンバコ、オバコ、カエルッパ、スモウモリグサなど
花言葉:足跡、足跡を残す、耐え忍ぶ愛など
◎特徴:
日本原産の多年草で、北海道〜沖縄地方にかけて全国各地で見かけることができます。踏みつけにとても強く、(他の草があまり生えないような)固くなった地面を好む性質があります。その性質から、踏みつけや忍耐力を連想させるような花言葉が多く付けられています。また車前子(シャゼンシ、オオバコの種子を指す)や車前草(シャゼンソウ、花期を迎えたオオバコの全草を指す)という名の生薬としても知られ、咳や痰を抑えるほか、利尿などの効果もあります。
なお、広く大きな葉を持つことから「大葉子(オオバコ)」と名付けられた説が有力ですが、青紫蘇としても知られる「大葉(オオバ)」とは無関係です。
セイヨウオオバコの概要
科・属名:オオバコ科オオバコ属
種別:多年草
花色:茶
花期:6〜9月
原産:ヨーロッパ
別名:オニオオバコなど
花言葉:─
◎特徴:
ヨーロッパ原産の帰化植物で、日本では北海道〜沖縄地方にかけて全国各地で見かけることができます。オオバコと同様に繁殖力が旺盛で、現在では世界各地で雑草として帰化しています。固くなった地面を好む性質がありますが、他の雑草が生えるような草原でも見かけることができます。
ツボミオオバコの概要
科・属名:オオバコ科オオバコ属
種別:一年草
花色:薄黄
花期:5〜8月
原産:北アメリカ
別名:タチオオバコなど
花言葉:崇高など
◎特徴:
北アメリカ原産の帰化植物で、日本では本州〜九州地方にかけて分布しています。花の多くが完全には開かず、いつまでも蕾のような見た目をしていることからその名が付けられました。また細長い葉が垂直に立ち上がる性質があるため、タチオオバコと呼ばれることもあります。
オオバコ、セイヨウオオバコ、ツボミオオバコの違いは?
今回取り上げたオオバコ、セイヨウオオバコ(オニオオバコ)、ツボミオオバコ(タチオオバコ)の間には以下のような違いがあります。オオバコを基準とした場合、セイヨウオオバコは花色や草丈、ツボミオオバコは葉の見た目である程度見分けられそうです。
◎オオバコの特徴(写真左)
・葉は丸みを帯び、地面に張り付くように成長する
・セイヨウオオバコに比べてやや小型(草丈10〜20cm程度)
・花色は白
・1つの果実に6〜8個程度の種子が入っている
◎セイヨウオオバコの特徴(写真中央)
・葉は丸みを帯び、地面に張り付くように成長する
・オオバコに比べて大型(草丈30〜60cm程度)
・花色は緑がかった茶色
・1つの果実に8〜16個程度の種子が入っている
◎ツボミオオバコの特徴(写真右)
・葉は細長く、垂直に立ち上がるように成長する
・オオバコに比べてやや大型(草丈10〜30cm程度)
・花色は薄黄色
・花の多くは完全には開かず、蕾のような見た目をしている
・葉や茎の表面に白い細かな毛が生えている