6月に入り、近所のナワシロイチゴ(苗代苺)が旬を迎え始めました。赤く輝く実はとても美味しそうですが…道路のすぐ脇に生えている個体なので、さすがに食べるのは止めておこうと思っています。
さて、今回取り上げたナワシロイチゴはいわゆるキイチゴ(木苺)に分類されるののですが、一般的なイチゴとはどのような点が異なるのでしょうか。名前だけで判断するのであれば「木になるかどうか」くらいな気もしますが…今回はそんな両者の特徴や違いについて少し調べてみることにしました。
ナワシロイチゴの概要
まずは、冒頭で取り上げたナワシロイチゴの概要からご紹介します。
科・属名：イチゴ科キイチゴ属
種別：落葉低木
花色：ピンク
花期：5〜7月
収穫期：6〜7月
原産：日本
別名：サツキイチゴ、ワセイチゴ、サオトメイチゴ、ジャパニーズラズベリーなど
花言葉：誘惑、恩恵など
◎特徴：
日本原産の落葉低木で、北海道〜九州地方にかけて自生しています(※海外では中国、台湾、朝鮮半島、ベトナムなどに分布しています)。苗代(田植えに向けた稲の育苗)の頃に開花することがその名が付けられ、同じような理由でサツキイチゴ(皐月苺)と呼ばれることもあります。初夏に熟す赤い実は食用可能ですが、生食では酸味が強いため、ジャムなどに加工することが多いようです。
イチゴ(苺)の定義について
イチゴの定義については明確に定まっていないようですが、一般的にはキイチゴ(木苺)やノイチゴ(野苺)も含めたイチゴ類の総称を表しています。但し、現在私達が「イチゴ」として食べているものの大半は、オランダイチゴと呼ばれる品種です。イチゴは元々南米原産の多年草ですが、その後オランダで品種改良が進み、オランダ船によって日本へ持ち込まれたことからその名が付けられました。 甘くてみずみずしい食感を持つため果物に分類されることが多いですが、スイカやメロンと同様「草本性」の性質を持つため、本来は野菜に分類されます(※)。 そんなイチゴ(オランダイチゴ)の特徴と言えば、何と言っても甘くてみずみずしい実です。
※他の果物と同様、イチゴに関しても同じ株から何年も連続して実を収穫することができます(＝木に近い性質を持つ)。ただ、一般的な栽培では1年ごとに苗を入れ替えて育てるため(＝草のような扱いをされている)、厳密には野菜に分類されます。このように、本来は野菜だが果物のように扱われている植物のことを「果実的野菜」と呼ぶこともあります。
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キイチゴ(木苺)の概要について
ここまでの内容を踏まえると、キイチゴは「イチゴの中の1分類」ということになりますが…厳密にはバラ科キイチゴ属に属する落葉低木の総称を表しています。代表的な品種としては冒頭で取り上げたナワシロイチゴのほか、ラズベリー、ブラックベリー、モミジイチゴ、カジイチゴなどを指します。なお、先ほどご紹介したオランダイチゴはバラ科オランダイチゴ属に属していますので、定義的にはキイチゴとは異なります。
品種によってさまざまですが、キイチゴの実は黄色や赤色などに熟し、全体的に丸みを帯びた形をしています。またオランダイチゴとは異なり、主に果実(※多数の小さな果実が集まって1つの果実のように見える集合果)を食用とします。キイチゴの中には甘くて美味しい実を付ける品種もありますが、オランダイチゴに比べると酸味の強い品種が多いです。
両者の違いについて
ここまでの内容をまとめると、イチゴとキイチゴの違いは以下のようになります。近年は品種改良等によってさまざまな品種が生み出されており、一概には言えないかもしれませんが。。。
◎イチゴの特徴(写真左)
・キイチゴも含めたイチゴ類の総称だが、一般的にはオランダイチゴ(バラ科オランダイチゴ属の多年草)を指すことが多い。オランダイチゴは主に花托を食用とし、甘くてみずみずしいのが特徴。
◎キイチゴの特徴(写真右)
・バラ科キイチゴ属に属する落葉低木の総称。主に果実を食用とし、品種にもよるが酸味の強い品種が多い。
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