突然ですが、皆さまはこちらの白い花の名前を聞かれたら何と回答されますでしょうか。この写真は私達の結婚式(7年ちょっと前)の際に撮影いただいたものなのですが、当時は「カサブランカ」という名前でブーケにあしらってもらいました。
したがって先程の問題はカサブランカが正解になるのですが、中には「ユリ(百合)」と回答される方も多くいらっしゃるのではないでしょうか(※おそらく、何も知らない状態で聞かれたら私も「ユリ」と即答している気がします)。カサブランカはユリの別名として使われているイメージですが…ユリの英名はリリー(Lily)なので、両者の関係性が今一つ分かりにくいのが現状です。実際のところ、ユリとカサブランカの間には何か明確な違いがあったりするものなのでしょうか?
ユリ(百合)の概要
科・属名:ユリ科ユリ属
種別:多年草(球根植物)
花色:白、黄、橙、赤、ピンク、黒など
花期:5〜8月
原産:北半球の亜寒帯〜亜熱帯地域
別名:カサブランカなど
花言葉:純粋、無垢など
◎特徴:
北半球の亜寒帯〜亜熱帯地域を原産とする多年草で、日本ではヤマユリ、ササユリ、スカシユリなどの固有種が自生しています(※掲載した写真はササユリです)。品種によって花の形状は異なりますが、多くの品種は夏に漏斗状の花を咲かせます。ユリの球根は鱗茎(りんけい)と呼ばれ、一部の品種は百合根として食用にすることもあります。
◎ユリの概要は下記記事からの引用です
【ことわざ】「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」のルーツは漢方薬だった!? - アタマの中は花畑
カサブランカの概要
科・属名:ユリ科ユリ属
種別:多年草(球根植物)
花色:白
花期:6〜8月
原産:オランダ
別名:ユリの女王など
花言葉:純粋、無垢など
◎特徴:
前述のユリの一種で、主にオランダで品種改良された栽培品種のことを指します(※アメリカで交配が行われた後、オランダに渡り品種が固定された)。純白で大輪の花を咲かせることからユリの女王とも呼ばれ、結婚式のブーケや贈り物の花束などに利用されています。カサブランカとはスペイン語で「白い家」という意味で、モロッコ王国の都市名(白い家が立ち並んでいることで有名なカサブランカ)が由来となっています。
ユリとカサブランカの違いは?
ここまでの内容を踏まえると、ユリがユリ科ユリ属に属する植物全般を指すのに対し、カサブランカはユリの栽培品種の1つを指していることがわかります。つまり「カサブランカは全てユリだが、ユリは必ずしもカサブランカとは限らない」が正しい解釈なので、冒頭の問題で「ユリ」と答えた方も正解だったということになります。
なお、(ユリと比較した場合の)カサブランカの特徴としては以下が挙げられます。名前の由来を踏まえるとカサブランカの花色は基本的に白のみですが、白いユリ=全てカサブランカという訳でもないため留意が必要です。
・花色は基本的に白のみ
・花は大輪で強い芳香を放つ
・花弁の内側に斑点(スポット)がない
・開花からの時間経過に応じて花弁が反り返る
・茎に対してやや下向きに蕾・花をつける など