今年はお盆に帰省しなかったため、あっという間にお盆が過ぎ去ってしまった印象です。そのためお墓参りにも行けていないのですが、稲刈りのタイミングで帰省する予定なので、その時にでも実現できればと思っています。
(※写真はイメージです)
そして、お墓参りの時に欠かせないのが線香です。私自身、毎回線香を持ち込む訳ではないのですが…点火した時に漂う独特の香りは気分を落ち着かせてくれます。簡単に点火できることから何かしらの植物を原料としていそうですが、線香には一体どんな植物が使われているのでしょうか?
線香の主原料は?
線香にはさまざまな植物が使われていますが、その中で主原料となるのはタブノキです。厳密には、タブノキの樹皮や枝葉を粉末状にしたタブ粉が用いられています。タブ粉には水を加えることで粘り気を出す性質があるため、練って固めることによって「つなぎ」の役割を果たします。
香りはどうやって付けているの?
線香の主原料がタブノキ(タブ粉)であることは分かりましたが、実はこれだけでは私達の知る「線香」にはなりません。ほとんど香りを持たないタブ粉に火をつけたとしても、線香独特の香りが漂うことはない…というのが主な理由です。では、線香の香り付けはどのようにして行っているのでしょうか?
調べてみたところ、白檀(びゃくだん)や沈香(ぢんこう)といった香木のほか、丁子(ちょうじ、チョウジノキの蕾を乾燥させたもの)などを香料として混ぜ込んでいることがわかりました。タブ粉にはほとんど香りがありませんが、逆を言えば「他の香料の香りを邪魔しない」という点では非常に優秀な原料ということになります。
なお、線香の香り付けには先ほど挙げた植物性香料のほか、動物性香料や合成香料を用いることもあります。
▲白檀(参考)
タブノキの概要
最後に、線香の主原料として登場したタブノキの概要をご紹介します。
科・属名:クスノキ科タブノキ属
種別:常緑高木
花色:黄緑
花期:4〜6月
原産:日本、朝鮮半島、中国、台湾など
別名:イヌグス、タマグスなど
花言葉: 鎮魂、鎮守など
◎特徴:
日本、朝鮮半島、中国、台湾などを原産とする常緑高木で、日本では東北南部〜沖縄地方にかけて分布しています。古くから樹霊信仰の対象とされており、現在でも神社などに多くの巨木が残っています。木材としての利用価値も高く、線香のほか、建築材や家具材としても重宝されています。
名前の由来は諸説ありますが、古代朝鮮語で丸木舟を表す「トンバイ」がタブに変化したとする説が有力です。また神事との関連が深いため、「霊(たま)が宿る木=タマノキ」を由来とする説もあります。