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先日取り上げたキナウリに引き続き、今回も少しマイナーな(はずの)瓜をご紹介したいと思います。ということで、今回の主役はこちらのハヤトウリです。ハヤトウリに関しては母方の祖母が以前育てており、秋になると白い果実がたわわに実っていた記憶があります。
そんなハヤトウリですが、キナウリと同様に店頭で見かけることはあまりない印象です。他のウリ科の野菜とは異なり、ハヤトウリがあまり流通していないのは一体なぜなのでしょうか?
ハヤトウリの概要
科・属名:ウリ科ハヤトウリ属
種別:多年草
花色:薄黄
花期:9〜10月
収穫期:10〜11月
原産:中央アメリカ
別名:センナリウリ、チャヨテ、チョチョなど
花言葉:憩い
◎特徴:
中央アメリカ原産のつる性多年草で、日本へは大正時代に渡来しました。その際、最初に鹿児島に伝わったことから薩摩隼人(※薩摩の武士を表す美称)に因んで「隼斗の瓜=ハヤトウリ」と名付けられました。
主に未熟な果実を食用とし、開花から2〜3週間ほどで収穫適期を迎えます。 果実は白いもの(白色種)と緑色のもの(緑色種)の大きく2系統があり、白色種の方が味が淡白で柔らかいと言われています。
ハヤトウリの少し変わった特徴
一般的なウリ科の野菜の場合、果実から種子を取り出した後、それを1粒1粒まいて育てます。ところがハヤトウリに関しては、果実をそのまま土に埋めて育てる必要があります。種子を取り出して個別にまいた方がたくさんの苗を育てられるような気もするのですが…なぜこのような育て方をするのでしょうか?
実は、本記事を書き始める前まで私自身も知らなかったのですが…ハヤトウリの種子は1つの果実に対して1粒しか入っていないのだそうです。さらに、種子を覆う果肉が外殻としての役割を果たしているため、安易に種子だけを取り出すことも難しいようです。したがって、ハヤトウリに関しては「果実をそのまま土に埋めている」というよりは、「1粒の大きな種子をまいている」と考えたほうがイメージに合っているのかもしれません。
ちなみに…子孫を残す観点で考えると、1つの果実に対して種子が1粒しか入っていないのは何だか効率が悪いような気がしますよね。そこで、少しでも多くの子孫を残すため、ハヤトウリは一度にたくさんの実をつけます。育て方によっては100〜200個ほどの実をつけると言われており、その性質からセンナリウリ(千成瓜)とも呼ばれています。
あまり流通していないのはなぜ?
冒頭でも少し触れたとおり、ハヤトウリはどちらかと言えばマイナーな野菜に位置付けられ、店頭で見かける機会もあまりありません。私自身も道の駅や直売所くらいでしか見かけたことがないのですが、ハヤトウリがあまり流通していないのは一体なぜなのでしょうか?
明確な理由を見つけることはできなかったのですが、結局のところはハヤトウリの知名度の低さに尽きるのかなと思います。(以前実家で育てていたこともあり)私自身はたまたま知っていたのですが、本ブログを訪問された方の中にはハヤトウリの存在そのものを知らなかった方もいらっしゃるのではないでしょうか。ハヤトウリの存在が知られていなければ当然需要も増えませんので、流通量が増えなかった背景としてはこの辺りが関係していそうな気はしています。
とはいえ、漬け物・サラダ・炒め物・煮物などに調理すればとても美味しくいただける野菜なので、もしハヤトウリを見かける機会があれば一度手に取ってみてはいかがでしょうか。