突然ですが、皆さまは「森のアイスクリーム」と呼ばれる果物をご存知でしょうか。その正体は、緑色でゴツゴツした見た目のアテモヤです。
この別称が本当であれば、ぜひ一度は食べてみたいものですが…私自身まだ口にしたことはありません。そもそもなのですが、アテモヤが「森のアイスクリーム」と呼ばれるのは一体なぜなのでしょうか?
アテモヤの概要
科・属名:バンレイシ科バンレイシ属
種別:半落葉性小高木
花色:緑
花期:5〜9月
収穫期:12〜3月
原産:アメリカ
別名:森のアイスクリームなど
花言葉:契り
◎特徴:
バンレイシとチェリモヤを掛け合わせた交雑品種で、アメリカ・フロリダの亜熱帯植物園にて誕生しました。バンレイシのブラジル名である「アテ」とチェリモヤの「モヤ」を組み合わせ、現在の名称になったと言われています。寒さにやや弱く、気温が10℃を下回ると生長が止まってしまうため、日本では沖縄県・鹿児島県などの限られた地域でのみ生産されています。
収穫直後の果皮は緑色でゴツゴツしていますが、追熟を経て、果皮が茶色く柔らかくなった頃が食べ頃です。
「森のアイスクリーム」と呼ばれるのはなぜ?
冒頭でも触れたとおり、アテモヤは「森のアイスクリーム」とも呼ばれる果物です。そのゴツゴツとした果皮からはとても連想できないのですが、一体なぜこのような別名が付けられたのでしょうか?
その由来となるのが果皮の内側に詰まっている真っ白な果肉です。この時点で既にそれらしい見た目をしていますが、アイスクリームを連想させるのはここだけではありません。アテモヤの果肉は滑らかな食感で、かつヨーグルトに似た甘味と酸味を持ちます。さらに果肉の糖度は20〜25度程度でこれは何と高級マンゴー(〜20度)をも上回る数値です。このような特徴を併せ持つことから、アテモヤは「森のアイスクリーム」とも呼ばれるようになりました。
なお…アテモヤの生産量は少なく、日本では高級品として扱われているのが現状です。そのため「森のアイスクリーム」とは言っても、アイスクリームの代わりとして手軽に食べられる代物ではないようです。
【余談】他の食べ物を連想させる野菜・果物一覧
アテモヤを「森のアイスクリーム」と称するように、他の食べ物を連想させる野菜や果物は他にも存在します。本記事では、代表的なものをいくつかご紹介したいと思います。
まる
◎畑の肉
・大豆のこと。タンパク質を豊富に含むことが由来。
◎森のバター
・アボカドのこと。脂肪分が豊富で、ねっとりとした食感を持つことが由来。
◎大地のりんご
・ジャガイモのこと。リンゴに匹敵するほど栄養価が高いことが由来。
◎畑の納豆
・オクラのこと。粘り気を持つことが由来。
◎畑のミルク
・ぶどうのこと。栄養価が高く、ブドウ糖を豊富に含むことが由来。
◎畑のキャビア
・とんぶり(ホウキグサの実)のこと。見た目や食感がキャビアに似ていることが由来。
◎愛のリンゴ
・トマトのこと。ヨーロッパでは、値打ちの高い野菜や果物のことを「リンゴ」と呼んでいたことが由来。