先日、家族で出掛けた際にホトトギスの花を見つけました。我が家ではまだ育てたことのない植物ですが、実家の片隅には何株か植えられていた記憶があります。
そんなホトトギスですが、この名前だけを耳にすると鳥を連想される方も多いのではないでしょうか。私自身も“鳥の方のホトトギス”を先に覚えていたこともあり、最初耳にした際は思わず鳥を思い浮かべてしまいました。呼び名が全く同じ「ホトトギス」ですが、両者には何かしらの関係性があるのでしょうか?
ホトトギスの概要
科・属名:ユリ科ホトトギス属
種別:多年草
花色:紫、白、ピンク、黄など
花期:8〜9月
原産:東アジア〜インド(※日本とする説もあり)
別名:ユテンソウ(油点草)、トード・リリーなど
花言葉:永遠にあなたのもの、秘めた意識、永遠の若さなど
◎特徴:
東アジア〜インドを原産とする多年草で、日本では関東〜九州地方の山地(半日陰)を中心に分布しています。20種ほどの野生種が確認されていますが、そのうち半数程度が日本固有種であることから、日本を原産とする説もあります。
花の見た目が美しく、かつ育てやすいため、現在では多くの園芸品種が流通しています。また走出枝(ランナー)を伸ばす性質があるため、ランナーの先にできた個体を株分けすることで簡単に増やすことができます。
鳥の「ホトトギス」との関係は?
冒頭でも触れた通り、「ホトトギス」という名前だけを聞くと“鳥の方のホトトギス(カッコウ科カッコウ属)”を連想される方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は植物のホトトギスに関しても、この鳥に関連した特徴を持っています。ホトトギスと言えば花弁に付いた斑点模様ですが(※)、この模様がホトトギス(鳥)の胸の模様に似ていることからそのまま名付けられたと言われています。
※シロホトトギスなど、中には斑点を持たない品種も存在します。
なお、この斑点模様を油のシミに見立てるケースもあり、その場合はユテンソウ(油点草)と呼ばれます。さらに海外では「ヒキガエル(toad)のような斑点模様を持つユリ(lily)のような花」という意味合いで、トード・リリーと名付けられています。
「ホトトギス」の由来は?
植物のホトトギスが“鳥の方のホトトギス”に因んでいることは分かりましたが、そもそも「ホトトギス」にはどのような由来があるのでしょうか?
こちらについては、ホトトギス(鳥)の鳴き声に由来しています。ホトトギスの鳴き声は少々特徴的で、昔の人達はこの鳴き声を「ホトホト」と表現していたようです。この「ホトホト」に「ス(※鳥類を表す接尾語)」が付くことによって、現在の「ホトトギス」になったと考えられています。