突然ですが、皆さまは「大納言小豆」と呼ばれる小豆をご存知でしょうか。あんこや赤飯の材料としてよく見かけますが、「大納言」と言われると何となく敷居が高いような印象を持ってしまいます(私だけかもしれませんが…)。
ところで、この大納言小豆は一般的な小豆とはどのような点が異なるのでしょうか?
小豆の概要
科・属名:マメ科ササゲ属
種別:一年草
花色:黄
花期:7〜8月
収穫期:10〜2月
原産:東アジア
別名:ショウズなど
花言葉:爽やかなど
◎特徴:
東アジア原産の一年草で、ヤブツルアズキの栽培種にあたります。原産地やルーツには諸説ありますが、縄文時代には日本でも既に栽培されていたと言われています。産地としては北海道、丹後(兵庫県〜京都府)、備中(岡山県)が有名で「日本三大小豆産地」と呼ばれています。
また「小豆」という名称に関しては、小豆自身の性質が関係しています。小豆と言えば赤みを帯びた色をしており、茹でると煮崩れる点が特徴ですが…江戸時代には赤色のことを「あ」、溶けることを「つき、ずき」と表記しており、赤くて煮崩れる豆という意味合いで「あずき」と名付けられました。その後、小さい豆全般を示す「小豆」を「あずき」に当て字したことから、現在の表記になったと言われています。
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大納言小豆とは?
大納言小豆(だいなごんあずき)とは、小豆の中でも特に粒の大きい品種群のことを指します。一般的には豆の直径が5.5mmを超えるもののみが「大納言小豆」に分類されるため、普通の小豆とは区別された上で流通しています。
※直径が5.5mmを下回る場合は「小豆(または普通小豆)」に分類されます。また中納言、小納言と呼ばれる品種も実在し、現在でも一部地域でさいばいされているようです。
また大納言小豆はただ大粒なだけではなく、ふっくらして食べやすい特徴を持ちます。加えて長時間煮ても煮崩れしにくいため、綺麗な見た目を保ちつつ調理することができます。大納言小豆と呼ばれるためにはこれらの基準を全てクリアする必要があるため、一般的な小豆に比べて希少性が高く、販売価格も高い傾向があります。
「大納言」の由来は?
大納言小豆の特徴が分かったところで、続いてはその名の由来について調べてみることにしました。その結果、「大納言」の由来は諸説あり、代表的な説としては以下が挙げられることが分かりました。本記事を書き始める前は「粒が大きくて、高級品だから大納言」くらいにしか考えていなかったのですが、その名に相応しい理由がしっかりあったのですね。
・煮た時に皮が破れにくい(=「腹切れ」が生じにくい)性質を持つため、切腹の習慣を持たない大納言に因んで名付けられた
・かつて尾張国(愛知県西部)での生産が盛んだったことから、尾張大納言に因んで名付けられた
・豆の形状が烏帽子に似ていることから、烏帽子を被っている大納言に因んで名付けられた など