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【雑談】紙はどんな植物(木)から作られているの? - アタマの中は花畑
前回投稿した記事の中で、和紙の原料の1つとしてミツマタと呼ばれる樹木が使われていることをご紹介しました。ミツマタという名称に関しては、枝先が3つに分かれることが由来だとされています。
一般的な樹木であれば、枝は不規則に分岐していくイメージですが…ミツマタの枝は必ず3つに分かれていくのでしょうか?仮にこれが本当だった場合、3つに分かれるのは一体なぜなのでしょうか?
ミツマタの概要
科・属名:ジンチョウゲ科ミツマタ属
種別:落葉低木
花色:黄
花期:3〜4月
原産:中国中南部〜ヒマラヤ地方
別名:サキクサ(三枝)、ムスビギ(結木)など
花言葉:強靭、肉身の絆など
◎特徴:
中国中南部〜ヒマラヤ地方を原産とする落葉低木で、日本では関東〜九州地方にかけて分布しています。長くて強い繊維を持つ(=丈夫で破れにくい紙を作りやすい)ことから、和紙や紙幣の原料として長年重宝されています。
一般的なミツマタは黄色の花を咲かせますが、赤い花を咲かせるアカバナミツマタ(ベニバナミツマタ)も流通しています。アカバナミツマタはミツマタの突然変異種で、四国地方で最初に発見されたと言われています。
▲アカバナミツマタ(参考)
ミツマタの枝は必ず3つに分かれるの?
冒頭でも触れた通り、ミツマタは枝先が3つに分かれることからその名が付けられました。例えば、こちらの写真は以前実家で撮影したものですが、この写真内では全ての枝が3つに分かれているように見えます(※中央の枝に関しても、よく見ると花が3つ付いています)。実際のところ、ミツマタの枝は必ず3つに分かれるものなのでしょうか?
調べてみたところ、やはりミツマタの枝には必ず3つに分かれる性質があるようです。もちろん枝が折れてしまうなどの例外はあると思いますが、「ミツマタ」という名にふさわしい性質を持っていることには違いありませんね。
ちなみにミツマタの花言葉である「肉親の絆」については、3つに分かれた枝が親子関係を象徴していることに由来しているのだそうです。
枝が3つに分かれるのはなぜ?
一般的な樹木の枝が3つに分かれる場合、主幹からそのまま真っ直ぐ伸びる枝(主枝)が1本と、分岐点から違う方向に伸びる枝(側枝)が2本という構成になります。ところがミツマタの場合は主枝にあたる部分が退化しているため、側枝が3本という構成になります。
この理由についても調べてみたのですが、あまり有力な説を見つけることはできませんでした。ただ、可能性があるとすればこの辺りなのかな…?とは思っています。
・枝を満遍なく広げることで、光合成や受粉の効率を高めている
・木全体のバランス(樹形)を整えるため、枝を満遍なく分岐させている など