今回は、ちょうど今くらいの時期に黄色い花を咲かせるツワブキ(石蕗)を取り上げたいと思います。ツワブキは観賞用の植物としてよく庭園などに植えられていますが、葉の見た目はフキにとてもよく似ています。
一般的なフキは葉柄や花(フキノトウ)を食用としますが、ツワブキも同様に食べられるものなのでしょうか?
ツワブキの概要
科・属名:キク科ツワブキ属
種別:多年草
花色:黄
花期:10〜12月
原産:日本、朝鮮半島、中国、台湾
別名:ツワ、イシブキなど
花言葉:謙遜、困難に負けない、愛よ甦れなど
◎特徴:
日本、朝鮮半島、中国、台湾を原産とする多年草で、日本では東北南部〜沖縄地方の海岸沿いを中心に分布しています。光沢のある葉を持つことから当初はツヤブキと呼ばれ、それが転じて現在の名称(ツワブキ)になったと言われています。前述の葉を年中茂らせている上、鮮やかな黄色の花を咲かせることから観賞用としても人気があります。
また花言葉に関しては、岩場や日陰を中心に生育し、他の花が咲き終わった晩秋〜冬にかけて開花する様子に因んでいます。
フキの概要
科・属名:キク科フキ属
種別:多年草
花色:白、薄黄
花期:2〜3月
原産:日本
別名:フイキ、フーキなど
花言葉:愛嬌、公平、私を正しく認めてくださいなど
◎特徴:
日本原産の多年草で、北海道〜沖縄にかけて広く分布しています。主に茎を食用とする野菜(山菜)ですが、早春に咲かせる花(フキノトウ)も同様に食べることができます。雌雄別株のため雌株には雌花、雄株には雄花が咲きますが、フキノトウとしての味に大きく違いはないと言われています。
「フキ」と呼ばれる植物は野生種も含めて200種類ほど存在しますが、市場に流通しているフキの約7割が「愛知早生ふき」と呼ばれる栽培種です。
◎フキの概要は下記記事からの引用です
【都道府県の花#05】秋田県の木・花について - アタマの中は花畑
ツワブキとフキの違いは?
ツワブキはキク科ツワブキ属、フキはキク科フキ属に属しているため、広い意味では同じ仲間の植物と言えます。そのため葉の見た目はよく似ていますが、以下の点では性質が大きく異なります。
◎葉を茂らせている時期
・ツワブキは年中茂らせているが、フキは冬季に地上部が枯れる
◎開花時期
・ツワブキは晩秋〜冬、フキは早春にそれぞれ開花する
◎花の見た目
・ツワブキは黄色、フキ(フキノトウ)は白〜薄黄色の花を咲かせる
ツワブキとフキの間にはいくつか相違点があるものの、ツワブキの葉柄もフキ同様に食べることができます(※九州地方など一部地域では、古くから郷土料理としても親しまれているようです)。但しツワブキの葉柄はアクが強いため、食用とする際は事前のアク抜きが必要になります。なお若い葉ほどアクが少ないため、新しい葉が芽吹く早春に多く流通します。
またツワブキの花に関しても、天ぷらなどに調理して食べるケースがあるようです。