◎前回の記事はこちら
【都道府県の花#47】沖縄県の木・花について - アタマの中は花畑
昨年7月から不定期に投稿していた「都道府県の花シリーズ」も、前回の記事にてようやく完結させることができました。そのシリーズ最後の花をしてご紹介したのが、沖縄県の花として知られるデイゴです。島唄の冒頭部分(ていごの花が咲き 風を呼び 嵐が来た)にも登場するため、名前をご存知の方も多いのではないでしょうか。
そんなデイゴですが、よく「アメリカデイゴ」と混同させてしまうことがあります。名前からしてデイゴは日本原産、アメリカデイゴはアメリカ合衆国原産のようにも見えますが…実際のところ、両者にはどのような違いがあるのでしょうか?
デイゴの概要
科・属名:マメ科デイゴ属
種別:落葉高木
花色:赤
花期:3〜5月
原産:熱帯アジア、オーストラリア
別名:デイコ、エリスリナなど
花言葉:愛、生命力、活力など
◎特徴:
熱帯アジア、オーストラリアを原産とする落葉高木で、日本では沖縄県に分布しているほか、奄美大島(鹿児島県)や小笠原諸島(東京都)でも見られます。生長が非常に早いことでも知られ、材木は琉球漆器などの材料に用いられています。また「デイゴ」という名称については、中国南部での呼称である梯姑(テイコ)を由来とする説が有力ですが…さまざまな説があるため、詳細についてはあまりはっきりしていません。
なお沖縄県では、デイゴの花が見事に咲き誇った年は台風が多く襲来し、天災に見舞われやすいという言い伝えがあります。
(※デイゴの概要は冒頭の記事からの引用です)
アメリカデイゴの概要
科・属名:マメ科デイゴ属
種別:落葉低木
花色:赤
花期:6〜9月
原産:南アメリカ
別名:カイコウズなど
花言葉:勇敢、情熱など
◎特徴:
南アメリカ原産の落葉低木で、日本へは江戸時代に渡来しました。海外からやってきた赤い豆という意味でカイコウズ(海紅豆)と呼ばれますが、一般的にはアメリカデイゴという名称の方がよく知られています。なお、アメリカデイゴの「アメリカ」は原産地である南アメリカのことを表しており、アメリカ合衆国とは異なります。
また寒さにはやや弱く、日本の場合は関東地方以西で地植え可能と言われています。
◎アメリカデイゴの概要は下記記事からの引用です
【都道府県の花#46】鹿児島県の木・花について - アタマの中は花畑
デイゴとアメリカデイゴの違いは?
デイゴとアメリカデイゴはどちらもマメ科デイゴ属に属しているため、植物としての特徴は比較的よく似ています。ただデイゴは熱帯アジア・オーストラリア原産、アメリカデイゴは南アメリカ原産なので、両者のルーツは異なっています(※本記事の冒頭では前者が日本原産、後者がアメリカ合衆国原産なのでは?と記載していましたが、見事にどちらも外れていましたね。。。)。
調べてみたところ、両者には主に以下のような違いがあるようです。
◎デイゴの特徴(写真左)
・主に春に開花する(3〜5月頃)
・筒のような形状の花を咲かせる
・アメリカデイゴに比べて樹高が高い(落葉高木)
・寒さに弱いため、沖縄県・奄美大島・小笠原諸島など一部の地域でしか見かけられない
◎アメリカデイゴの特徴(写真右)
・主に夏に開花する(6〜9月頃)
・鳥のくちばしのような形状の花を咲かせる
・デイゴに比べて樹高が低い(落葉低木)
・デイゴに比べれば寒さに強く、関東地方以西であれば地植えも可能