突然ですが、皆様は「ドライフルーツ」と言われたら何を連想されますでしょうか。スーパーのドライフルーツコーナーではレーズンやドライマンゴーなどを多く見かける印象ですが、その中に「デーツ」と呼ばれるあまり聞き慣れない商品が陳列されていることがあります。
少なくとも、私の身の周りでデーツを育てている方はいないのですが…デーツとは一体どんな植物の実なのでしょうか?
デーツの正体は?
デーツとは、ナツメヤシ(ヤシ科ナツメヤシ属)の果実のことを指します。私達がよく目にするデーツはこの果実を乾燥させたもので、中近東諸国では一般的なフルーツとしてよく食べられています。味わいは干し柿や黒糖に似ており、ねっとりとした食感があります。また食物繊維のほか、カリウムやマグネシウムなどもミネラルを豊富に含むため、スーパーフードとしても注目されています。
デーツの生産量が最も多いのはエジプトで、その後もサウジアラビア、イラン、イラク、パキスタンといった砂漠地域が続きます。なお昨今の健康ブームなどの影響により、デーツ市場(輸出量)は年々拡大傾向にあります。
ナツメヤシの概要
科・属名:ヤシ科ナツメヤシ属
種別:常緑高木
花色:薄黄
花期:3〜5月
収穫期:7〜10月
原産:北アフリカ、ペルシャ湾沿岸
別名:デーツ
花言葉:─
◎特徴:
北アフリカまたはペルシャ湾沿岸を原産とする常緑高木で、メソポタミアや古代エジプトでは紀元前6000年代から栽培されていました(※諸説あり)。暑さや乾燥にとても強く、生命力が高いことから、旧約聖書に登場する「生命の樹」のモデルになったとも言われています。
主に果実(デーツ)を食用としますが、原産地では若芽も食べられているほか、種子から採取する油脂は石鹸や化粧品の原料としても活用されています。ナツメヤシの寿命は100〜200年ほどと非常に長く、結実可能な樹齢まで成長すれば、以降は長期間実を収穫することができます。なお雌雄別株のため、実を収穫するためには雌木と雄木の両方が必要になります。
ナツメヤシとナツメの違いは?
ナツメヤシとよく混同されるのが、こちらもドライフルーツとして知られるナツメ(棗)です。と言うのも、ナツメヤシは「果実の形状がナツメに似ている」ことが名前の由来だとされており、ドライフルーツに加工するととても見分けが付きにくくなります。なお、ナツメはクロウメモドキ科ナツメ属に属する落葉小高木であるため、ナツメヤシとは全く異なる植物です。
▲ナツメヤシの実
▲ナツメの実