アタマの中は花畑

小さな花壇と家庭菜園を手に入れたガーデニング初心者の日々

【ジャボチカバ】枝ではなく幹に直接実がなるのはなぜ?

先日、実家帰省のタイミングで立ち寄った植物園にてジャボチカバの木を見かけました。ジャボチカバの実を口にしたことは一度もないのですが、「幹に直接実がなる少し変わった木」として前々から名前だけは知っていました。

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一般的な果樹であれば枝先に実をつけますが、このジャボチカバに関しては何故か幹から直接花を咲かせ、実をつける性質を持ちます。この少し変わった性質には、何か理由があるものなのでしょうか?

 

 

ジャボチカバの概要

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科・属名:フトモモ科プリニア属

種別:常緑高木

花色:白

花期:3〜10月(品種により異なる)

収穫期:6〜10月(品種により異なる)

原産:南アメリカ

別名:ブラジリアングレープツリー、キブドウなど

花言葉:神秘、永代など

◎特徴:

南アメリカ原産の常緑高木で、日本へは江戸時代に渡来しました。渡来当初は薬用植物として利用されていたようですが、近年は観葉植物として人気が高まっています。ジャボチカバという名称については、トゥピ族(ブラジルの先住民族)の「亀のいる池」を意味する言葉に由来しますが、ジャボチカバと亀の関係性については明らかにされていません。

濃紫〜濃紺色の果実はブドウやライチに似た味わいを持ち、生色も可能です。しかしながら、収穫後は非常に鮮度が落ちやすいため、日本ではほとんど流通していません。

 

幹に直接実がなるのはなぜ?

冒頭でも触れた通り、ジャボチカバは幹から直接花を咲かせ、そのまま結実する少し変わった性質を持ちます。この性質に加えて、果実の見た目がブドウに似ていることからキブドウ(木葡萄)と呼ばれることもあります。他の果樹にはあまり見られない性質ですが、ジャボチカバの実が幹に直接なるのは一体何故なのでしょうか?

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調べてみたところ、どうやらジャボチカバの生存戦略が深く関わっているようです。自生しているジャボチカバの実を食べるのは主に大型の動物(哺乳類など)ですが、(他の果樹と同様に)枝先に実をつけてしまうと、その場所まで動物達が辿り着くことができません。そこで大型の動物達が食べやすいように配慮するため、太い幹に直接実をつけるようになったと言われています。ジャボチカバは動物達に果実を提供することで種子を遠くまで運んでもらい、徐々に分布域を広げていきます。

 

日本では栽培可能?

日本国内を対象とした場合、ジャボチカバは現在沖縄県と鹿児島県の一部地域でのみ生産されています。これだけを聞くと大半の地域では栽培が難しように感じてしまいますが、実はジャボチカバには半耐寒性があり、0℃程度までであれば耐えることができます(※品種により異なります)。そのため、冬季は室内管理が必要になるケースもありますが、鉢植えであれば多くの地域で栽培することが可能です。さらに自家結実性を持つため、1本の木のみで実を収穫できる点もありがたいところです。

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なお、ジャボチカバは比較的成長が遅いため、小さめの苗木を購入した場合は結実まで5〜10年ほもかかることもあるようです。

 


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