季節が進むにつれ、デスクワーク中心の私にとっても飲み物が欠かせなくなってきました。出社の際はいつも近くのスーパーでお茶を購入しているのですが、最近は「濃い緑茶」を選ぶ機会が増えてきた気がします。少なくとも、普通の緑茶と濃い緑茶が同じ価格で販売されていたら、大抵濃い緑茶の方を選択してしまいます。
…と言うのも、濃い緑茶に関しては「皮下脂肪や内臓脂肪を減らす」ことを売りにしている商品も多く、どうしてもこの言葉につられてしまうんですよね。「脂肪を減らす」という意味合いでは黒烏龍茶が有名ですが、濃い緑茶に関しても同じような効果が期待できるのでしようか?
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チャノキの概要
まずは緑茶の原材料であるチャノキの概要について、改めてご紹介したいと思います。よく勘違いされますが、本種の正式名称はチャノキなのだそうです(※別名ではチャとも呼ばれます)。
科・属名:ツバキ科ツバキ属
種別:常緑低木〜高木(※品種により異なる)
花色:白
花期:10〜12月
原産:インド、ベトナム、中国など
別名:チャ(茶)など
花言葉:純愛など
◎特徴:
インド・ベトナム・中国などを原産とする常緑高木だとされていますが、原産地についてはあまりはっきりしていません。北半球の熱帯〜温帯地方に分布し、日本では伊豆半島〜九州地方にかけて自生しています。品種によっては樹高5mを超える高木になることもありますが、栽培時は収穫しやすいよう樹高を抑えて管理しています。
日本では主に緑茶の原料として栽培されていますが、発酵方法や香り付けによって烏龍茶・紅茶・プーアル茶・ジャスミン茶(さんぴん茶)に加工することも可能です。
◎チャノキの概要は下記記事からの引用です
【茶摘】歌詞に登場する「八十八夜」の意味とは?〜茶摘との関係について〜 - アタマの中は花畑
「濃い緑茶」が脂肪を減らすのはなぜ?
緑茶にはタンニン(渋み成分)の一種であるカテキンが豊富に含まれており、このカテキンが脂肪減少に深く関わっています。カテキンは遊離型カテキンとガレート型カテキンの大きく2種類に分けられるのですが、 特にガレート型カテキンに関しては食事の際の脂肪・糖・コレステロールなどの吸収を抑えることが分かっています。また交換神経を刺激することで脂肪燃焼効果を高める効果もあるため、継続的に摂取することで肥満防止にも繋がると言われています。
ここまでの内容だけを見ると「ガレート型カテキンさえ入っていればどんな緑茶でも問題ない」ように感じてしまいますが…ガレート型カテキンは(遊離型カテキンに比べて)苦味や渋みが強く、特に濃い緑茶のような高カテキン飲料に多く含まれています。したがって、濃い緑茶にのみ「皮下脂肪や内臓脂肪を減らす」と表記されているのは、ガレート型カテキンの含有量が多いためだと考えられます(※)。
※商品によっては、ガレート型カテキン以外の有効成分を含んでいるものもあります。例えば食物繊維の一種である難消化性デキストリンを含んでいる場合も、同様に脂肪や糖の吸収を抑える効果が期待されます。
普通の緑茶では効果が無いの?
それでは、私達が普段飲んでいる「普通の緑茶」に関しては脂肪吸収抑制・脂肪燃焼効果が全く期待できないということなのでしょうか?
確かに「濃い緑茶」に比べてガレート型カテキンの含有量は少なめですが…全く含まない訳ではないため、普通の緑茶であっても一定の脂肪吸収抑制・脂肪燃焼効果は期待できると考えられます。 より高い効果を期待するのであれば濃い緑茶を選んだ方が無難ですが、カフェインの含有量もその分多くなるため、過剰な摂取には気を付ける必要があります。