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【蕨餅】「本わらび餅」と「わらび餅」の違いは? - アタマの中は花畑
少し前に投稿した記事にて「本わらび餅」と「わらび餅」の違いについてご紹介しました。両者の違いについてざっくりまとめると、わらび粉100%を原料としている場合は「本わらび餅」、原料にわらび粉以外のデンプンを含んでいる場合は「わらび餅」と呼び分けているのだそうです。

さて今回ですが、ワラビ(蕨)と1文字違いのワサビ(山葵)について取り上げたいと思います。ワサビが食べられない私にとってはあまり馴染みがないのですが…ワサビに関しても「本わさび」「生わさび」と呼び分けることがあります。わらび餅に関しては原料の違いで呼び分けていましたが、本わさび・生わさびに関しても似たような違いがあるのでしょうか?
※本記事では、特定の品種を指す場合は「ワサビ」、それ以外は「わさび」と記載しています。
「本わさび」の定義について
本わさびは「わさびの品種」を表す言葉で、ここでは「日本原産のわさび」のことを指します。
本わさびは、栽培方法によって沢わさび(水わさび)と畑わさび(陸わさび)の大きく2種類に分けられます。私達がよくイメージするのは沢わさびの方で、湧き水を用いて栽培し、主に根茎を食用とします。これに対して、畑わさびは畑やビニールハウスで栽培したもののことで、主に葉や茎を食用とします。

本わさびは辛味だけではなく、独特の香りや甘味を併せ持つ点が特徴です。また栽培に手間を要することなどから、後述する西洋ワサビに比べて高値で流通しています。
「生わさび」の定義について
生わさびは「わさびの状態」を表す言葉で、ここでは「根茎の状態からすりおろしたわさび」のことを指します。原料となるワサビの品種については特に制約がなく、前述の本わさびのみを用いたものや、西洋ワサビ(ホースラディッシュ)と混ざったものなどが流通しています。西洋ワサビは辛味が強く、本わさびの1.5倍ほど辛いとも言われています。

私達がよく目にする「生わさび」はチューブに入ったタイプの商品ですが、原料全体に対する本わさびの割合によって表記が少し異なります。日本加工わさび協会が定めている自主基準によると、具体的には以下のような区別を行っているのだそうです。
◎本わさび使用
・原料全体に対する本わさびの割合が50%以上のもの。必ずしも本わさび100%である必要はない。
◎本わさび入り
・原料全体に対する本わさびの割合が0%超、かつ50%未満のもの。本わさびのほか、西洋ワサビや香料が混ざっていることが多い。
◎いずれの記載ないもの
・原料全体に対する本わさびの割合が0%のもの。主に西洋ワサビが用いられている。

ワサビの概要
最後に、ワサビの概要についてもご紹介します。ここでは「本わさび」と呼ばれる日本原産の品種について取り上げます。

科・属名:アブラナ科ワサビ属
種別:多年草
花色:白
花期:3〜5月
収穫期:6〜7月
原産:日本
別名:サンキ、ヤマワサビ、サワワサビなど
花言葉:目覚め、うれし涙、実用など
◎特徴:
日本原産の多年草で、北海道〜九州地方の渓谷・渓流に分布しています。主に根茎や葉を食用とし、強い香りと辛みを持つため薬味としても重宝されています。ワサビの栽培が始まったのは江戸時代初期のことで、現在では長野県、静岡県、岩手県を中心に生産されています。
ワサビの花期は春(3〜5月頃)で、4枚の白い花弁を持つ小さな花を咲かせます。
【余談】ワサビを食べると鼻がツーンとするのはなぜ?
ワサビの辛味成分の正体は、アリルイソチオシアネート(アリル芥子油)と呼ばれる化合物です。ワサビには元々シニグリン(辛味成分の素)とミロシナーゼ(酵素)が含まれているのですが、すりおろすことで両者が反応し、アリルイソチオシアネートを生成します。

アリルイソチオシアネートはとても揮発性が高く、すぐに気体となって私たちの鼻まで届きます。そして、鼻の粘膜を刺激することにより「鼻がツーンとする」というわけです。
なお、西洋ワサビやカラシにもイソチアシアネート類が含まれており、ワサビと同様に私達の鼻を刺激します。(※私自身はこの「ツーンとする感じ」がとても苦手で、今でも本ワサビ・西洋ワサビ・カラシ(和がらし)は食べられません。。。)