今年の夏も厳しい暑さが続きましたが、最近になりようやく落ち着いてきたため、秋野菜の準備を少しずつ進めています。(周りを家に囲まれているため)冬場は特に日が差さない我が家の家庭菜園ですが、そんな中でも大根、ほうれん草、花菜、ちんげん菜辺りを種から育ててみようと思っています。今回は、購入した種について1つ気になる点があったため、その事を記事にしてみたいと思います。

(※写真はイメージです)
私が気になったのは、購入した種のパッケージに記載されていた「F1種」という文言です。いかにも速そうな(?)名前をしていますが、このF1種とは一体何物なのでしょうか?
F1種とは?
F1種(First Filial Generation)とは、異なる性質を持つ固定種同士を掛け合わせて生まれた雑種第一代のことで、一代交配種やハイブリッドとも呼ばれます。「雑種」と聞くと品質が劣っているように感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には優性の法則(※)により、両親にあたる品種よりも優れた性質を持つと言われています。

※優性の法則:メンデルの法則のうちの1つ。優性と劣性の性質を持つ品種同士を掛け合わせて採取した種には、必ず優性の性質が表れるという法則(「優劣の法則」とも呼ばれる)。優性・劣性とは遺伝子の働き方の強さを表すもので、両親から1つでもその遺伝子を受け継げば表れる性質を優性、両親から同じ遺伝子を2つ受け継いだ場合にのみ表れる性質を劣性と呼びます。
固定種とF1種の違いは?
先程「固定種」と「F1種」という言葉が出てきましたが、両者には以下のような違いがあります。現在市場に流通している野菜の多くはF1種を育てたものですが、伝統野菜に関しては固定種であることが多いです。
◎固定種:
代々受け継がれており、性質が固定されている品種のこと。収穫時期、形状、収穫量などにばらつきが生じることがある(=品質に多様性がある、不揃い)。

◎F1種:
異なる性質を持つ固定種同士を掛け合わせて生まれた雑種第一代のこと。両親にあたる品種(固定種)よりも優れた性質を持ち、収穫時期、形状、収穫量などが安定している(=品質が揃っている)。

F1種を使用するメリット・留意点
ここまでの内容から、F1種は両親にあたる品種も優れた性質を持ち、収穫時期、形状、収穫量などが安定していることが分かりました。また固定種に比べて生育旺盛で、かつ耐病性に優れた品種も多いため、現代農業では欠かせない存在となっています。

このように優れた性質を持つF1種ですが、優れた性質を持つのはこの一代だけで、次の世代にこの性質がそのまま引き継がれることはありません。したがって、F1種から自家採取した種子をまいて育てたとしても親と同じ性質にはならないため、毎回種や苗を購入して育てる必要があります。そのため、自家採取可能な固定種に比べて生産コストが高くなってしまうこともあります。このように、固定種とF1種にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、目的に応じてうまく使い分けていくのが良いのかもしれません。