今回は、私達の食卓に欠かせない海苔に関する話題です。私自身も小さい頃から海苔が大好きだったのですが、長男・次男も私に似てきたのか、食卓に海苔を並べるといつも奪い合うようにして食べています。長女に関しても、最近はふりかけに混ざった海苔をより好んで食べるようになりました。

一口に「海苔」と言っても種類はさまざまで、パッと思い付くだけでも焼き海苔、韓国海苔、青海苔、岩海苔などが挙がります。海苔の主原料は海藻ですが、先程挙げた海苔達は全て同じ品種の海藻からできているのでしょうか?
スサビノリの概要
海苔の主原料として知られるのが、スサビノリと呼ばれる海藻です。今回の本題に入る前に、まずはスサビノリの概要についてご紹介します。

科・属名:ウシケノリ科アマノリ属
種別:海藻(紅藻類)
花色:─(胞子により繁殖)
花期:─(胞子により繁殖)
収穫期:12〜3月
原産:東アジア太平洋岸(日本、朝鮮半島、中国、ロシア)
別名:荒び海苔など
花言葉:─
◎特徴:
日本、朝鮮半島、中国、ロシアなどの東アジア太平洋岸に自生する海藻(紅藻類)で、日本では主に北海道〜本州北部の岩礁域に分布しています。スサビノリという名称については北海道函館市の尻澤邊(尻沢辺)に由来し、漢字では尻澤邊海苔(または尻沢辺海苔)と記載します。尻澤邊はアイヌ語でシリシャンペと呼ばれており、シリシャンペ→シサベ→スサビと呼称が変化していきました。
スサビノリが日本で最初に発見されたのは1908年のことでしたが、その後1960年代にはスサビノリの一種であるナラワスサビノリが千葉県で発見されました。ナラワスサビノリはスサビノリに比べて大型で、かつ品質的にも優れることから、現在日本で養殖されている海苔の大半がこのナラワスサビノリだと言われています。

さまざまな海苔とその原料について
続いて、現在私達が食べているさまざまな海苔と、その原料となる海藻について整理してみました。日本で養殖されている海苔の大半はナラワスサビノリですが、実際には天然物も含めて多くの品種が用いられていることが分かります。

◎生海苔、乾海苔、焼き海苔、味付け海苔
・主にアマノリ属の海藻を原料としています。当初はアサクサノリが用いられていましたが、現在では生長が早く品質も安定しているスサビノリ(ナラワスサビノリ)が主流になっています。
◎韓国海苔
・主にオニアマノリ属の海藻(オニアマノリ、イチマツノリ)を原料としています。
◎青海苔
・主にヒトエグサ属(シワヒトエグサ、エゾヒトエグサ)、アオサ属(アナアオサ、ボタンアオサ)、アオノリ属(スジアオノリ、ウスバアオノリなど)の海藻を原料としています。
◎岩海苔
・天然物の海苔の総称であり、天然物であれば前述した全ての品種が該当します。
【余談】紅藻類と緑藻類の違いは?
本記事ではさまざまな品種の海苔を取り上げましたが、これらは大きく「紅藻類」「緑藻類」の2グループに分けることができます。紅藻類と緑藻類の違いは以下の通りで、加熱されていないものであれば色で大体見分けることができます。

◎紅藻類(こうそうるい)の特徴
・赤色〜紅紫色をした海藻で、海苔の場合はアマノリ属やオニアマノリ属が該当する。
・光合成を行うのはクロロフィル(緑)、フィコエリトリン(赤)、フィコシアニン(青)などの色素で、このうちフィコエリトリンの含有量が多いため全体が赤っぽく見える。
・水深のやや深い海域に分布する。水深が深くても効率良く光を吸収するため、赤色色素(フィコエリトリン)の含有量を増やしている。
・加熱すると赤色・青色色素が分解され、緑色に変色する。
◎緑藻類(りょくそうるい)の概要
・緑色をした海藻で、海苔の場合はヒトエグサ属、アオサ属、アオノリ属が該当する。
・光合成を行うのは主にクロロフィル(緑)のため、全体が緑っぽく見える。
・水深の浅い海域に分布し、陸上植物と同じように光合成を行う。
・加熱しても緑色のままである。