今回はこちらの和三盆(わさんぼん)を取り上げたいと思います。和三盆と言えば高級和菓子によく使用される甘味料で、私自身「ちょっとお高い砂糖」というイメージを何となく持っています。

本ブログでも以前取り上げたことがありますが、一般的な砂糖はサトウキビやテンサイ(サトウダイコン)を主原料としています。それに対して、今回の和三盆は一体何を原料としているのでしょうか?そして、和三盆が高級品として扱われているのは一体なぜなのでしょうか?
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和三盆の原料について
和三盆は、チクトウ(竹糖)と呼ばれる日本原産のサトウキビを原料とした砂糖の一種です。和三盆のルーツは江戸時代中期(1800年頃)まで遡り、徳川吉宗の推奨のもと、讃岐(香川県)と阿波(徳島県)で生産されたことから始まったと言われています。それから200年以上が経過した現在でも、香川県や徳島県を中心に生産されています。

名前の由来については諸説ありますが、「盆の上で砂糖を三度研ぐ(精製する)」という日本独自の製法に由来するという説が有力です。こうして作られた和三盆には滑らかな口どけがあり、すっきりとした甘味を持ちます。主な用途は和菓子ですが、煮物などの料理やコーヒーにも広く用いられています。
なお「三温糖」と呼ばれる砂糖もありますが、こちらは上白糖(=一般的な砂糖)を製造する過程で生じる糖液を煮詰めて作られます。名称に関しても「糖液を三度煮詰めて作る砂糖」が由来であり、和三盆とは全く異なります。

▲三温糖(参考)
和三盆が高級なのはなぜ?
和三盆は高級品として扱われており、その価格は上白糖の数倍〜10倍に達するとも言われます。同じ「砂糖」であることには変わりないはずですが、なぜ和三盆だけこんなに高価なのでしょうか?
早速調べてみたところ、和三盆の原料と製法が大きく関わっているようです。まず、和三盆は国内の一部地域でしか栽培されていない希少なチクトウを原料としています。さらに、1株あたりの収穫量も一般的なサトウキビに比べて少ないため、原料の時点でかなり希少価値が高いことになります。
こうして収穫したチクトウを「盆の上で三度研ぐ(※)」ことで和三盆が出来上がるわけですが…この工程には手作業が伴うため、一般的な砂糖に比べて手間が発生します。また、ミネラル分をほど良く残す独自の製法についても、希少価値を高める要因となっています。
※研ぐ:ここでは、盆の上で水を加えながら砂糖を練り、圧搾する作業のことを指します。
したがって、和三盆は「原料であるチクトウの希少性」と「独自製法による手間」によって、高級品として扱われるようになったと考えられます。
チクトウ(竹糖)の概要
(※引用可能な写真が見つからなかったため、画像は割愛しています)
科・属名:イネ科サトウキビ属
種別:多年草
花色:─(花弁なし)
花期:11〜12月
収穫期:11〜12月
原産(栽培起源):日本
別名:ホソキビ(細黍)など
花言葉:平和
◎特徴:
日本を栽培起源とする多年草で、現在では香川県や徳島県の一部地域でのみ栽培されています。茎が竹のように細く、かつ砂糖(和三盆)の原料になることからその名が付けられました。一般的なサトウキビに比べて茎が細いことから、ホソキビ(細黍)と呼ばれることもあります。さらに草丈が低く(2m程度)、収穫も年1回しか行われないため、一般的なサトウキビよりも希少価値は高くなります。