◎前回の記事はこちら
【有加利】コアラが毒のあるユーカリを食べるのはなぜ? - アタマの中は花畑
前回の記事では、コアラの主食であるユーカリについて取り上げました。この記事を書きながらふと思い付いたことが、本記事のきっかけになります。ということで、今回は赤紫蘇について取り上げたいと思います。

ユーカリと赤紫蘇自体は全く異なる植物ですが、赤紫蘇を原料としたふりかけのことを「ゆかり」と呼ぶことがあります。もちろんユーカリとゆかりの間に何の関係性も無いことは重々承知していますが…そもそも何故「ゆかり」と呼ばれるようになったのでしょうか?
赤紫蘇の概要

科・属名:シソ科シソ属
種別:一年草
花色:赤紫
花期:8〜9月
収穫期:6〜7月
原産:中国
別名:イヌエなど
花言葉:善良な家風、力が蘇るなど
◎特徴:
中国原産の一年草で、独特の香りを持ちます。食中毒により死にかけた若者・子供に赤ジソを与えたところ息を吹き返したという言い伝えから、紫色の蘇生させる草=紫蘇(シソ)と名付けられたとされています。また、別名でもあるイヌエは「エゴマによく似た違う植物(※イヌ=似て異なる、との意味あり)」であることが由来となっています。
なお、一般的には紫蘇=赤紫蘇のことを指します。
◎赤紫蘇の概要は下記記事からの引用です
【紫蘇】色だけじゃない!?赤ジソと青ジソの違いについて - アタマの中は花畑
赤紫蘇のふりかけを「ゆかり」と呼ぶのはなぜ?
赤紫蘇のふりかけを「ゆかり」と呼ぶ理由は、植物そのものの名前ではなく、日本語としての言葉の意味に由来しています。ゆかりは漢字で「縁」や「所縁」と表記し、人や物事の繋がり・深さを表す言葉として使われています。また、ゆかりと言えば紫色ですが、こちらも古今和歌集に収録された「紫のひともとゆゑに武蔵野の草はみながらあはれとぞ見る」という歌に由来しています。この歌には「紫色の草が1本生えているという縁(ゆかり)だけで、周辺の草も愛おしく見える」という意味が込められており、ここから「ゆかり(縁)=紫色」というイメージが定着しました。

そして現在は三島食品から「ゆかり」という商品名のふりかけが販売されています(※)。このふりかけが発売されたのは1960年代のことで、紫色の見た目と、顧客との縁を大切にしたいという想いから「ゆかり」と名付けられたそうです。
※ゆかりは三島食品の登録商標です。元々は他社の登録商標でしたが、1999年に三島食品が正式に譲り受けました。
【余談】青紫蘇のふりかけをあまり見かけないのはなぜ?
概要欄で引用した記事の中でも触れていますが、実は赤紫蘇よりも青紫蘇の方が紫蘇特有の香りは強いと言われています。しかしながら、紫蘇のふりかけと言えば「ゆかり」をはじめとした赤紫蘇由来の商品が主流です。香りが強いにも関わらず、青紫蘇のふりかけをあまり見かけないのは一体なぜなのでしょうか?

調べてみたところ、先程の三島食品からも青紫蘇を主原料とした「かおり」が発売されていることが分かりました。「かおり」は1984年に発売されたふりかけで、40年以上の歴史を持つロングセラーですが…お恥ずかしいことに、私自身今まで一度も購入したことがありませんでした。実際のところ、三島食品が販売するふりかけの中でも「ゆかり」のシェアが圧倒的で、「かおり」は大きく引けを取っているのが現状です。「ゆかり」は色合いが鮮やかで、かつご飯への色移りもしやすいため、主に見た目の面で評価されているのかもしれません。

また、ふりかけは葉を乾燥させることを前提としていますが、青紫蘇は乾燥させると香りが飛びやすい性質を持ちます。また青紫蘇特有の緑色も乾燥によって退色しやすいため、製造や保存の観点では少々課題があるとも言えそうです。この辺りがシェアに大きく差が付いている要因と考えられますが…味に関しては間違いないと思うので、今度実際に購入して食べてみたいと思います。