突然ですが、皆さまは「樹木」と言われたらどのような木をイメージされますでしょうか。「日立の樹」のCMに出てくるような巨木…とまでは言いませんが、きっと多くの方がたくさんの枝を持つ木を連想されるのではないかと思います。

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一般的な樹木は枝分かれによってたくさんの枝を持ちますが、いわゆる「ヤシの木」だけは枝分かれしているイメージが全くありません。材木用の杉や桧でさえ、枝打ちによって不要な枝を落とす必要がありますが…ヤシ科の樹木に関してはそんなことをしなくても真っ直ぐ上に伸びていきます。では、ヤシ科の樹木が枝分かれしないのは一体なぜなのでしょうか?
樹木が枝分かれする理由は?
本題に入る前に、まずは一般的な樹木が枝分かれする理由から整理してみたいと思います。
樹木が枝分かれするのは、より多くの光を効率良く受け取るためです。植物は成長に必要なエネルギーを作るため、葉で光合成を行います。しかしながら、周囲には他の樹木もたくさん生えているため、限られた空間の中で葉を効率良く広げる必要があります。そこで幹から枝分かれし、小枝へと展開することで葉を立体的に広げ、互いに重なりにくい構造を作っていると考えられます。

また一般的な樹木の場合は、幹や枝の先端にある頂芽が特に生長しやすい性質を持ちますが(頂芽優勢)、条件が整えば側芽も伸びて「枝」となります。予め枝分かれしておくことで、風や積雪などの外的要因で一部の枝が損傷したとしても、他の枝で機能を補うことが可能となります。
したがって、樹木の枝分かれは「光合成の効率化」と「リスク分散」を兼ね備えた合理的な生存戦略とも言えます。
ヤシ科の樹木が枝分かれしないのはなぜ?
では、枝分かれが合理的な生存戦略であるにも関わらず、ヤシ科の植物が枝分かれしないのはなぜなのでしょうか?
調べてみたところ、一般的な樹木とヤシ科の樹木では、そもそも植物としての成長構造が異なることが分かりました。ヤシ科の樹木は単子葉類(被子植物)に分類され、幹の内部に散在する維管束によって(幹の)強度を保っています。そのため、年輪を重ねて太くなる一般的な樹木とは異なり、側芽が発達して枝になる構造自体をほとんど持っていません。これこそが、ヤシ科の樹木が枝分かれしない一番の理由となります。

もちろん、枝分かれしないことによるデメリットも存在します。ヤシ科の植物には代わりとなる枝を伸ばす機能がないため、頂芽が傷付くとそのまま枯れてしまうケースが多いと言われています。ヤシ科の樹木は枝を広げるのではなく、上へ高く伸びて葉を頂部に集中させることで効率良く光を得る戦略をとっていると考えられます。

ヤシ科の樹木でも枝分かれすることはあるの?
例外的ではありますが、実はヤシ科の樹木の中にも枝分かれする品種が存在します。例えば熱帯アフリカ原産のドゥームヤシ(ドームヤシ)は、生長の途中で頂芽が分裂し、幹が二股に分かれる少し変わった性質を持ちます。また観葉植物としても人気が高いアレカヤシは、地下茎を起点に複数の幹を立ち上げる性質を持ちます(※厳密には一本の幹が枝分かれしている訳ではなく、根元から別々の枝が伸びている状態です)。

▲アレカヤシ(参考)
このように、ヤシ科の樹木の中にも枝分かれのような性質を持つ品種は存在しますが、一般的な樹木のように幹の途中から枝分かれする仕組みとは異なります。ヤシ科特有のシルエットは、独自の進化過程によって生み出されたものだと言えそうですね。

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